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風評被害募る不安 相次ぐキャンセルに観光業

箱根登山鉄道 神奈川新聞  2015年05月08日 03:00

 箱根山の噴火警戒レベルが引き上げられたことで、箱根町の基幹産業である観光業の関係者に不安の声が広がっている。7日には町と旅館関係者が対策を協議。山口昇士町長は「ごく限られた大涌谷周辺での警報。箱根全体が(危ない)という風評被害が一番怖い」と懸念している。

 この日に町役場で行われた町幹部と箱根温泉旅館協同組合との協議。宿泊キャンセルなど風評被害の現状や今後の対策を話し合った。同組合の鈴木茂男理事長は協議後、「町や観光協会とともにオール箱根で取り組む」と決意を示した。

 警戒レベルが引き上げられた6日、箱根ロープウェイの運休や通行止めに関する案内が表示された町内の主な駅は、大型連休にしては観光客はまばらだった。

 箱根登山鉄道箱根湯本駅では、横浜市保土ケ谷区の派遣社員の男性(43)が「大涌谷はだめというので安全を考えて小田原観光に変更した」と語った。

 旅館「蔵のや」(同町強羅)では、新緑の季節とあって5月の予約は満室続きだったが、レベル2に引き上げられて以降、25件・81人分のキャンセルが出た。おかみの辻幹枝さん(73)は「大涌谷は山の向こうで3キロ離れている。私たちは普通の生活を送っているが、お客さまの気持ちも尊重したい。一日も早く沈静化してほしい」と願う。

 大涌谷からは、箱根温泉供給株式会社が湧出した温泉を仙石原や強羅地区の一部の旅館やホテル、寮など約400軒に供給している。入域規制で配管のメンテナンスができず安定供給が危ぶまれたが、町は6日から条件付きでロープウエーや上水道施設とともに保守点検のための作業員の一時立ち入りを許可し、温泉供給などは維持されている。だが火山活動がさらに活発化すれば立ち入りできなくなる可能性もある。

 温泉供給を受けている「箱根温泉山荘なかむら」(同町仙石原)の中村喬社長(83)は「もし温泉が止まったら命取り。臨時休業にとどまらず、そのまま続けば廃業するしかない」と不安感を募らせている。

 箱根の風評被害の懸念を受けて県は7日、知事や関係局長らによる会議を開き、正確で迅速な情報提供を行う方針を確認した。


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