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「火山活動のステージ変わった」 5日夜の地震が要因

社会 神奈川新聞  2015年05月06日 15:59

箱根山の大涌谷周辺の地図を示して記者会見する気象庁の北川貞之火山課長=6日午前、気象庁(共同)
箱根山の大涌谷周辺の地図を示して記者会見する気象庁の北川貞之火山課長=6日午前、気象庁(共同)

 「火山活動のステージが変わった」。箱根山の噴火警戒レベルを初めて2(火口周辺規制)に引き上げ、「火口周辺警報」とした気象庁は6日午前8時から会見を行い、小規模噴火の可能性が高まったと判断した理由として5日夜に起きた地震を挙げた。

 着目したのは、5日午後9時13分ごろに起きたマグニチュード(M)2・6の地震。ふもとの湯本で震度1を観測、県温泉地学研究所が大涌谷に近い二ノ平に設置している地震計では3相当の揺れとなった。

 この地震の震源について気象庁が詳しく調べたところ、約5キロと深い場所だったことが判明。それより浅い場所にたまっているとみられる熱水が不安定な状態になり、水蒸気噴火などをもたらす可能性があると判断した。5日に観測した火山性地震は観測史上最多の116回だった。

 これまでの火山性地震は地表に近い場所で多発しており、温地研の解析によると同日午前6時台に起きたM2以上の地震は山体内が震源だった。こうした地震は活火山である箱根山では珍しくないため、噴火警戒レベルを2に引き上げる基準も、近年では最も大規模だった2001年6~10月の群発地震に匹敵する活動があった場合などに限られている。

 今回の判断について、気象庁の北川貞之火山課長は「5日午後9時13分の地震の震源が深かったことから警報発表に踏み切った。これまでと比べ深い所で大きい地震が起きており、4月26日から現在までの状況と違うことが起こっていると推定した」と説明する。

 一方で「地震活動や地殻変動からみて、それほど大きな噴火が発生するとは考えていない」とも強調し、「大涌谷周辺では小規模な噴火に伴い弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒が必要。風下側では火山灰や小さな噴石に注意してほしい」と述べた。マグマの活動が活発化している兆候はないという。

 温地研などによると、箱根山の火山活動に伴う比較的規模の大きい群発地震は01年以降も06年、08年、09年に起き、11年には東日本大震災をきっかけに地震活動が活発化した。13年1~3月ごろにも地震回数が約2千に上る群発地震があった。


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