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横浜「みどり税」効果は? 緑被率、5年で微減

社会 神奈川新聞  2015年05月04日 13:18

 横浜市が、市内の緑の割合を示す「緑被率」を調査したところ、2014年度は、みどり税を導入した直後の09年度より1ポイント減の28・8%となっていたことが分かった。みどり税導入後、樹林地や農地の保全に積極的に取り組んできただけに、市担当者は「緑地の保全指定や買い取りは進んでいる。なぜなのか…」と戸惑い顔。どの地域でどのような経緯で緑が減ったのか現況を詳細に調査していく。

 市はおおむね5年ごとに緑被率を調査。40年前の1975年度は45・4%だったが、宅地開発などで年々減少を続け、2004年度は31%になった。06年度に策定した「市水と緑の基本計画」(06~25年)でこの31%を基に長期的に向上させる目標を掲げた。

 09年度から5年間限定で始まったみどり税は、13年度までの「横浜みどりアップ計画」の財源の一部に充てる目的で導入された。

 固定資産税の減免や市への買い入れ申し出が可能な「緑地保全制度」を設けることで、5年間で新たに約527ヘクタール(横浜公園約82個分)の民間樹林地を指定した。目標は1119ヘクタールで実際の指定は半分以下にとどまった。それでも市担当者は「計画前の指定は年平均20ヘクタール。それに比べれば5倍以上のスピードで指定している」と成果を強調する。

 5年間でのみどり税の収入は約100億円で、みどりアップ計画の一環として約93億円を執行し、保全指定地を約125ヘクタール取得した。約7億円は指定地の買い取りなどに備えた基金として積み立てている。

 こうした取り組みを進めた中での緑被率の微減について、市担当者は「過去に大きく緑が減った時に比べれば、樹林地の減少を鈍らせることができた。ただ、緑被率が減っている事実を受け止め、細かく原因を突き詰めたい」と話す。

 みどり税については、市税制調査会の答申を受け、市は13年12月に継続を決定。市会は「市民への周知徹底」を付帯意見として5年間延長する条例改正案を可決している。個人市民税(均等割)に年間900円、法人市民税(同)に4500~27万円を上乗せしている。


◇自治体で異なる算定法

 自然度の一つの指標となる緑被率だが、自治体によって算出方法が違い、使っていない自治体もある。

 横浜市の場合、航空写真を使って300平方メートル以上のまとまりのある緑を目視判読。市域面積に占める割合を算定している。環境創造局の予算で業者に航空写真を委託。撮影は緑が確認しやすい夏場に行う。

 相模原市は横浜市と同様に航空写真を基に算出しているが、目視判読の対象とする面積は100平方メートル以上。「経年変化を追える程度のまとまりとして定めている」と担当者。直近の2013年度調査では緑被率は70・4%。ただし、合併した津久井、相模湖、城山、藤野の旧4町を除く旧相模原市分の緑被率は24・7%だった。

 川崎市では06年以降は緑被率は使っていない。「別の局が使う航空写真を援用するが、撮影は1月1日なので、緑を正確に把握できない。過小に算出してしまう可能性があり、市民に誤解を与える」と理由を説明する。代わりに(1)航空写真による300平方メートル以上の樹木集団(2)農地(3)河川(4)運河-の4項目の面積を定期的に調べている。

 県も05年度策定のみどり計画で緑被率を使用していない。「02年の撮影後、航空写真の撮影の予定がない。実際にある緑の量を調べられないのでは進行管理ができない」と説明した。


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