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保育所申込者、過去最多を更新 横浜市、5万7526人に

社会 神奈川新聞  2015年05月01日 03:00

 横浜市は30日、市内の保育所待機児童数(4月1日現在)が8人だったと発表した。申込者数は、昨年を上回る5万7526人で過去最多を更新した。昨年同時期と比べ4594人増で過去最大の伸び幅となった。市は保育を必要とする人は今後も増え、2019年度には7万人に上ると見込んでおり、一層の対策が必要となる。林文子市長は「限りなく待機児ゼロを目指す方針は変えずに取り組む」と話している。

 14年度は31カ所の認可保育園整備、86カ所の小規模保育新設などさまざまな取り組みで計3756人の受入枠を拡大したが、申し込みの伸びが増加分を上回った。市は、国の「子ども・子育て支援新制度」が始まり入所しやすくなるとの期待感が高まったことが申込者が増えた要因の一つとみている。

 8人の待機児童を年齢別でみると、0歳児が3人、1歳児4人、2歳児1人とすべて低年齢児だった。区別では鶴見区3人、港北区3人、青葉区2人と北部に集中した。

 市は8人の待機児童について4月1日以降も働き掛け、うち2人が川崎認定保育園、小規模保育施設にそれぞれ入所。現在の待機児は6人という。

 同局によると、市北部は人口が増えており、保育ニーズも高まっている。用地確保などの課題の打開策を探るため、市は5月中にも副市長をトップとする全庁的なプロジェクト会議を設ける方針だ。

 また、認可保育所を希望しながら認可外の施設に入ったり、育児休暇を延長しているケースは市の基準では待機児童にカウントされず「保留児童」となる。今回は2534人で前年比で150人増えた。

 待機児童数は10年4月の全国ワーストから一転、ここ数年は効果が顕著に現れている。林市長は「働きたいと思う人はまだいる。大変に素晴らしいこと。申請者が増える状況は続くと思うが、ゼロにすると言った以上、責任は全うしたい」と力を込めた。

◇民間呼び込む施策課題○解説○
 横浜市の保育所は民間企業による整備が多いが、一昨年の待機児童ゼロ達成以後、市内での保育所開設に手を挙げる事業者が少なくなってきている。

 市担当者は企業が「横浜の需要はもう少ないのではないか」と判断し、ほかの自治体での開設にシフトしていると見ている。

 働く女性の割合が30代で落ち込むいわゆる「M字カーブ」は日本特有の事象として知られるが、横浜の場合、子育て期の女性の労働力率が全国平均より低く「M」の谷の部分が深い。つまり、働く女性が増える余地はまだある。

 待機児ゼロ達成後、入所可能性への期待感から保育の需要はむしろ増えた。市は5年後に保育ニーズが約7万人になると見込む。過去最大となった今回の申込者数よりもさらに約1万3千人多い。

 市は民間事業者に対し、需要のあるエリアがあることを丁寧に説明するとともに、土地や建物の賃借料補助も需要の高いエリアではより手厚くすることも課題と捉える。

 今回、待機児童が出たのは北部3区だった。都内へのアクセスが良く保育需要は高い一方、利便性の高い駅前などの用地確保は難しくなっている。市は隣接する川崎市と連携協定を結び、市境で互いに保育ニーズの高い場所を調べ、両市民が利用できる保育所を整備し始めた。こうした連携のように効率的に保育所設置をするためには、ピンポイントでの保育需要の的確な把握が鍵を握る。



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