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ジビエを伊勢原名物に 捕獲シカ肉商品化へ

社会 神奈川新聞  2015年04月30日 03:00

捕らえたシカやイノシシの皮を処理する施設の準備をする磯崎さん=伊勢原市子易の「山のお肉 猪・鹿問屋阿夫利山荘」
捕らえたシカやイノシシの皮を処理する施設の準備をする磯崎さん=伊勢原市子易の「山のお肉 猪・鹿問屋阿夫利山荘」

 伊勢原市の大山周辺で有害鳥獣の駆除に当たってきた猟友会のメンバーらが、捕獲したシカなどのジビエ(野生鳥獣の肉)の商品化にこぎ着けた。県内では最初のジビエ“公式商品”となる。早ければ来月中にもジャーキーやソーセージなどが発売される。

 ジビエは、欧州を中心に秋冬の味覚として親しまれているが、国内では近年、全国的に増加しているシカなどの駆除の中で、奪われた生命を有効活用しようと各地で料理などの研究が行われている。

 伊勢原市内でも近年はシカとイノシシを合わせ年間1千万円ほどの農業被害が出ており、年間平均でシカを80頭、イノシシを20頭程度駆除しているという。

 同市で取り組みが本格化したのは2年前。市の「地域特産物研究会」でジビエ商品が話題となり、大山周辺で活動している「大山・高部屋有害鳥獣駆除班」に観光促進などにつなげていけないかと持ちかけた。同駆除班代表の磯崎敬三さん(72)は、「それまでは猟師やその周辺で自家消費してきたが、余った分は廃棄するしかない。それが伊勢原の特産になればと思った」と振り返る。

 すでに静岡、長野県などが食品衛生法に照らした条例を独自につくり商品化していた。神奈川はそうした条例を定めておらず、国の指針や法的規制もなかった。

 だが昨年11月に厚生労働省が初めて統一のガイドラインを策定。これを受けて磯崎さんは、大山山中の林道沿いに所有する山小屋に専用施設を自費で新設した。ガイドラインに沿って内臓と皮を処理する部屋を別にし、それぞれ大型冷蔵庫を設置するなど改装。県平塚保健福祉事務所の認可を受けた。

 野生鳥獣を加工する上で重要なのは鮮度。一般的に、捕ってから2、3時間以内に加工しないと品質が低下するといわれる。磯崎さんは「大山は林道が多く、どこからでも2時間以内で持って来られる。新鮮で安全なジビエを提供できる」と胸を張る。

 扱うのは当面のところシカ肉で、地元の「柏木牧場」(同市小稲葉)でジャーキーやソーセージなどに加工され、販売される。柏木貞俊専務(51)は「シカ肉はにおいがなく、柔らかくて高タンパク低カロリー。ただ食用にできる量が少なく、正直利益は出ないが、伊勢原の知名度アップに一役買えたら」と期待する。

 販売やPRには市も協力。将来的にはイノシシ肉の商品化や地元飲食店でのメニュー化などを目指し、地域特産物として売り出していくという。市農業振興課は「県内では初となる“公式”のジビエ商品。磯崎さんや柏木さんら、市民の力でできた町おこしの商品を大事にしていきたい」と話した。


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