1. ホーム
  2. 選挙
  3. 「町の衰退につながる」 無投票に有権者から懸念 湯河原町長選と山北町議選

「町の衰退につながる」 無投票に有権者から懸念 湯河原町長選と山北町議選

選挙 神奈川新聞  2015年04月22日 03:00

4人分用意されたものの無投票となり、現職のポスターしか張り出されなかった掲示板=湯河原町中央2丁目
4人分用意されたものの無投票となり、現職のポスターしか張り出されなかった掲示板=湯河原町中央2丁目

 統一地方選後半戦で最後の告示となる町長選と町議選の火ぶたが切られた21日、県内では湯河原町長選と山北町議選で無投票当選が決まった。湯河原では16年ぶりに審判を受けない町長が誕生。山北は昨年の町長選や統一選前半戦の県議選に続き、最も身近な町議選でも有権者の選択肢が奪われた格好だ。「活発な政策論争がなければ、町の衰退につながる」-。人口減対策や地域活性化策が喫緊の課題として持ち上がる中、両町の有権者から懸念の声が上がる。

 「選挙戦がなかったからこそ、厳しいかじ取りをしていかなくてはならない」。湯河原町長選で無投票当選を決めた冨田幸宏氏が表情を引き締める一方、足元からは4年に1度の「民意」を示す機会が失われたことを残念がる声が上がる。

 地元で酒店を営む60代の女性は「取引先の旅館や保養所が最近相次いで廃業し、経営が厳しくなった」。地域経済の衰退を肌で感じており、最も身近な町長選は町の将来をイメージできる好機と期待していた。それだけに、「出馬する人がいたら良かったのに」と惜しんだ。

 町が直面する課題は、雇用創出や観光振興など多岐にわたる。ある町議は「人口減の影響は急速に表れている。根本的な解決策を論争すべきだった」とし、全国的に無投票が広がっていることを踏まえ「民主主義の危機だ」とも口にした。

 「政争の町」といわれる山北町も例外ではない。先の県議選に続き、街頭で政策論争が繰り広げられる場面は見られなかった。

 人口減が著しい三保地区では、4年前に引退した町議に代わる41歳の新人が今回の町議選に出馬。擁立に関わった福祉施設経営の湯川嘉一さん(46)=同町中川=は「地域の要望を町に届ける代弁者がいないと取り残されてしまう」と、その意図を説明する。

 今回、定数を超えないまま届け出が締め切られ、「ほっとした。町に明るい未来をもたらしてほしい」と期待する一方、「若い人が積極的に立候補するようにならないと町は良くならない」とも話した。

 地方議会を取り巻く現状は、議員定数や議員報酬の適正化をめぐり、模索が続いている。

 地元では山北町議の議員報酬が「議員活動に専念できる額ではない」ことが立候補の足かせになっているとの見方もあり、山北を地盤とし3期目の当選を決めた杉本透県議はこう指摘する。

 「山北は県内でも投票率が高く、政治への関心も高い地域だっただけに無投票は残念。若い人が立候補しやすい環境をつくるべきだ」


シェアする