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群発地震、温泉運ぶ? 温地研の現場から<3>

社会 神奈川新聞  2015年04月17日 13:00

 箱根火山は現在でも活動している「活火山」である。その象徴的な活動の一つが、浅い場所で地震が多数発生することである。20年間での地震の数は1万6千回を超え、地震大国日本の中においても高頻度に地震が起きる場所である。

 多くは、短時間に多数が集中的に発生する特徴を持ち、地震の規模を表すマグニチュードが1以下の微小なものが多く、たいていは揺れを感じることはない。地震は箱根カルデラ内を南北に帯状に分布し、一部は芦ノ湖の西側まで及ぶ。

 最近、研究精度が向上し、この群発地震の発生原因について理解が進んできた。図は、群発地震の震源位置を高品質な観測データを基に決定した結果で、震源が線状に並んでいることが明瞭に分かる。さらに、活動域が時間の経過とともに移動していく様子が見られ、これらのことから、群発地震は地下の亀裂の中を熱水が移動する過程で起こると考えられるようになった。

 この熱水の一部は温泉の源になっていると考えられる。群発地震は「活火山」の活動であると同時に、深部から温泉の恵みを運ぶ役割も担っているのかもしれない。
(温泉地学研究所研究員・行竹 洋平)


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