1. ホーム
  2. 社会
  3. 猫、初の殺処分ゼロ達成 飼育や里親へボランティア尽力

猫、初の殺処分ゼロ達成 飼育や里親へボランティア尽力

社会 神奈川新聞  2015年04月17日 03:00

猫を引き取り飼育している「たんぽぽの里」=相模原市中央区
猫を引き取り飼育している「たんぽぽの里」=相模原市中央区

 県は16日、2014年度に県動物保護センター(平塚市)に収容された猫の殺処分が初めてゼロを達成したと発表した。猫は多産で外飼いが多く、持ち込まれる子猫が多いため、殺処分ゼロが難しいと言われるが、ボランティア団体が一時飼育や里親探しに尽力した。県によると、都道府県レベルでは初めて。

 同センターは、犬の殺処分ゼロも13、14年度と2年連続で達成した。

 県によると、横浜、川崎、横須賀の3市以外から動物が持ち込まれる同センターは、14年度に猫を595匹収容。このうち、492匹をセンターの登録ボランティア(42団体・個人)が引き取ったほか、譲渡会で県民が22匹を譲り受け、1匹が飼い主に戻った。収容中の病死もあったが、13年度に398匹あった殺処分は行わなかった。


 特にボランティアが引き取り数を前年度の167匹から3倍近く増やした。県は「犬の殺処分ゼロに刺激され、相当に頑張って引き取り、新しい飼い主を探す活動を懸命にやってくれた」としている。

 県は、猫殺処分ゼロの継続を目指し、県民に対し▽子猫の収容数を減らすための飼い猫の避妊・去勢手術▽離乳前の子猫の引き取り-などをさらに呼び掛けていく。

 築40年以上たち老朽化した同センターの施設改善も検討。有識者でつくる検討会が今月スタートしており、収容犬のストレスを軽減して里親が見つかりやすいようにするための飼育スペースの個室化や、県の動物愛護行政のあり方に関して夏ごろに結論を出す予定。


 丸くなって眠る猫、爪を研ぐ猫、跳び回る猫…。多くが、県動物保護センターから引き取られ、殺処分を免れた猫だ。相模原市中央区の猫保護シェルター「たんぽぽの里」。その数、現在70匹以上。16日夕は、女性ボランティアが1人で掃除や猫の遊び相手を担っていた。「捨てられて人間不信になった猫もいる。『人は怖くない』と教えてあげるのも大切なこと」

 一つの命も殺さない-。その意志で2014年度、同センターから成猫32匹、幼猫133匹を引き取った。これ以外に、飼い主から直接受け入れた猫は一時保護も含めて200匹を超える。


 石丸雅代代表にとって念願の殺処分ゼロ達成だが、わずかなボランティアだけで継続していくには限界があることも認識している。続けるには「広く市民が意識を共有することが不可欠」と指摘する。

 例えば、「野良猫が子猫を産まないよう、地域が進んで避妊・去勢手術を施すこと。猫を飼う場合も、最後まで面倒を見られるのかよく考えること」。成猫の場合、飼い主の引っ越しや出産、高齢化などによって飼い続けられなくなるなど、人間の事情によるケースがほとんどだ。ボランティアたちは、引き取った猫の新たな里親に対して飼育方法を説明するなどして飼育の定着に努めている。


 それでも、同センターへの持ち込みはなくならず、昨年度は595匹だった。安易に猫を手放す飼い主が後を絶たない中で、独自の策を講じる自治体もある。千葉県は4月に施行した動物愛護管理条例で、飼育できなくなったら他の飼い主に譲渡することや、適正に飼育できない場合は飼わないことなどを県民に求めている。

 石丸代表は「達成はゴールではなく、スタート。殺処分をしないためにどうするか、皆で考えるきっかけにしてほしい」と重ねて強調した。



シェアする