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ずさん審査常態化 聖マリアンナ医大

社会 神奈川新聞  2015年04月16日 03:00

会見の冒頭、謝罪する尾崎承一病院長(左)ら=15日午後9時すぎ、川崎市宮前区の聖マリアンナ医大病院・難病治療研究センター
会見の冒頭、謝罪する尾崎承一病院長(左)ら=15日午後9時すぎ、川崎市宮前区の聖マリアンナ医大病院・難病治療研究センター

 聖マリアンナ医大(川崎市宮前区)の調査委員会は15日、精神保健指定医の資格を取り消された20人のうち、指導医を除く11人全員が担当ではない患者の症例リポートで資格を申請していたことを明らかにした。申請には8例のリポートが必要だが、1症例を複数の医師が使用する「重複症例」も9医師に計26例確認されるなど、ずさんな申請体制が常態化していた。病院側は同日夜に会見し、「国民の信頼を裏切り、弁解の余地がない」と謝罪した。

 調査委の青木治人委員長(同大副理事長)によると、神経精神科内では資格取得の参考にするため、先輩医師の資料を譲り受けることが慣例化。紙ベースだった資料が2011年ごろからデジタルデータとなり、「治療経過などの文書をわずかに書き換えて提出する例が見られた」という。

 提出する8症例についても、自身が担当した1人の症例以外は別の医師の症例を採用していた悪質なケースもあった。青木委員長は「病棟内のカンファレンスで共有したものを、症例として拡大解釈して使っていた」などと説明した。


 一方、申請書類をチェックする立場にあった9人の指導医も、リポートの症例を診療録と照合せずに署名していた。「その場でサインしたケースもあった」(青木委員長)といい、調査委は指導医としての責任を十分に果たしていなかったと結論付けた。

 同病院によると、2011年から13年までの3年間で、計12人の医師が同資格を取得。このうち、他病院に出張中だった1人を除く11人が不正を行っていた。

 また今回資格が取り消された医師の中で、重い精神障害がある患者を強制入院させる「措置入院」の判断に関わったケースはなく、家族などの同意で強制入院させる「医療保護入院」が100例あったという。

 病院側は指定医が外来診療した件数をさかのぼり、診療報酬を自主返納することも検討中とした。

 今年4月1日現在で神経精神科の常勤医師は15人で、うち12人が指定医の資格を取得していた。今回、7人が資格を取り消され、17日以降の有資格者は5人になる。


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