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民意・相模原市長選2015<上>
広域交流拠点 争点も認知度低く

選挙 神奈川新聞  2015年04月14日 12:14

当選が確実となり支持者から花束を受け取る加山氏=12日午後8時半ごろ、相模原市中央区の事務所
当選が確実となり支持者から花束を受け取る加山氏=12日午後8時半ごろ、相模原市中央区の事務所

 相模原市長選の期間中、掲示板に貼られた両候補のポスターにはこうあった。

 「ポテンシャル(潜在能力)ナンバーワン 日本一魅力あるまちを目指し!」

 「リニアで暴走するよりも とことん住民目線の市政へ」

 前者が3選を果たした現職の加山俊夫氏(70)、後者は敗れた新人の中野渡旬氏(66)のコピーだ。「広域交流拠点」の是非が最大の争点となった今回、2氏の考えを端的に言い表している。

 リニア中央新幹線建設に伴う中間駅設置などを生かし、市中心部の橋本駅周辺とJR相模原駅周辺を広域交流拠点とした一体的なまちづくり-。これを進めることを訴えた加山氏に対し、中野渡氏は財政面などから異議を唱え、「市民生活にとって不要不急の大規模開発計画は中止すべき」と計画の見直しを訴えた。

 結果は約15万6千票差という圧倒的大差で加山氏が3選。当選を決めた12日夜、加山氏は報道陣に「しっかりと次の時代につながるよう、まちづくりの方向を決めていく」と胸を張った。

 実際、神奈川新聞社などが選挙期間中に行った世論調査でも、広域交流拠点整備に「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えたのは全体の6割弱を占めた。

 広域交流拠点のまちづくりを進める上で必要として、市が方向性を示しているJR横浜線の連続立体交差化(地下化・高架化)事業についても「賛成」「どちらかといえば賛成」は5割弱に上った。

 対して「反対」「どちらかといえば反対」と回答したのは、両事業とも1割前後と少なかった。

 この点を見れば順当な選挙結果といえる。

 ところが「計画を知らなかった」と答えた人が、広域交流拠点については全体の4分の1ほど、横浜線の連続立体交差化に至っては4割近くいた。若年層ほどその傾向は強く、20代では両事業とも8割が「知らない」と答えている。

 今回選挙で両候補が最大の争点とした割には両事業の市民への浸透度は不十分な上、政令市に移行してから上昇傾向にあった投票率も46・87%にとどまった。

 大差で3選を決めた加山氏だが、14日に受け取る当選証書は完全な“信任状”というわけではないようだ。加山氏も「まだ具体的な整備計画、イメージ図が出せる段階ではないが、見えるような形、資料を早く出せるように作業を進めていく」と市民周知に努める考えを示している。

 広域交流拠点について、市は2015年度中に整備計画を策定、リニアが品川-名古屋間で先行開業する27年の両駅周辺地区の「まち開き」を目標に据える。首都圏南西部の玄関口、県の北のゲートとしての役割を担おうという大規模開発事業は、まちを一変させる。市財政への影響も大きいだけに、あらためて市民への十分な説明と理解に努めることが求められている。
 


 12日に投開票された相模原市長選で加山俊夫氏が3選を決め、今後4年間の市政運営が託された。市民が加山氏に求めるものは何か。「民意」を追った。 


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