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脱マニフェスト鮮明 黒岩知事再始動<中>

政治行政 神奈川新聞  2015年04月14日 03:00

初登庁し、職員らの拍手に応える黒岩知事=13日午前10時4分、県庁本庁舎
初登庁し、職員らの拍手に応える黒岩知事=13日午前10時4分、県庁本庁舎

 「いまメーンで取り組んでいるヘルスケア、未病産業といった政策は4年前になかった。時代の流れはそれだけ早い。計画経済的な数値を盛り込むのではなく、機動的にやっていくためにマニフェストとは一線を画した」

 当選から一夜明けた13日、早々と2期目のスタートを切った黒岩祐治知事は就任会見で、今回掲げた公約を振り返った。

 「経済のエンジンを回す」「安全・安心」「医療と健康・未病」…。選挙戦直前の3月16日に発表した政策集は、主に黒岩知事と知事側近ら限られたメンバーで作成されたものだ。

 初当選時は、「4年間で太陽光パネルの200万戸設置」という唯一の数値目標を掲げたものの、実現が見通せず、下方修正を重ねた。今回は具体的な数値目標ではなく、「大きな方向性を示すことを重視し、数値目標でがちがちに固めなかった」(黒岩知事)。“脱マニフェスト”の姿勢を鮮明にした。



 マニフェストは、言いっ放しの公約ではなく、数値目標や達成時期など検証可能な政策を掲げて政策本位の政治の実現を目指すものだ。かつては賛同していた黒岩知事だが、公約発表では「マニフェストの時代は転換期を迎えている」と否定的な見解を示した。

 今回の政策集に入れた115本の施策のうち、検証可能な数値目標を掲げた施策は10本。国の達成目標と重なる「18年に全県待機児童ゼロ」や、直近の増加実績を当てはめれば1~2年で達成できそうな「入込観光客数年間2億人」など、無難な数字も少なくない。

 関係者によると、当初は数値目標を盛り込まない予定だった。だが、発表寸前に庁内の各担当部署にヒアリングし、数値を追加して形を整えた。

 例えば「4年間で国内企業の100社超の誘致」。県の企業誘致策「インベスト神奈川」の利用件数から担当課が試算した数に、「政治判断で数社分を上乗せした」(知事側近)という。重視したのは数字ではなくビジョンだったようだ。



 政策集に並ぶ施策は、1期目で打ち出されている方針や施策が大半でもある。選挙戦で争点や話題になるような新たな目玉が見当たらないことから、ある県幹部は「2期目は安全運転で行くような印象も受けた」としながらも、こう続けた。「それでも1期目で打ち出した施策は相当にハードルが高い。それらの具体化に全力を注ぐのだろう」

 本庁舎正面玄関で行われた初登庁式。あいにくの雨に見舞われ、「晴れ男」を自認する黒岩知事にとって幸先が悪いスタートとなったが、集まった職員に力を込めて呼びかけた。

 「この4年間、皆さんとつくってきた成長戦略の基盤をこれから具体化していく。その大きな方向性に選挙で大きなご支援をいただいた。評価だけでなく期待感と受け止め、皆さんとともに歴史に残る県政をつくれるようにしたい」


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