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2015統一地方選
【解説】知事選「政策論争乏しき信任」

選挙 神奈川新聞  2015年04月13日 03:00

 圧倒的支持を集めた黒岩祐治氏の再選は、黒岩県政2期目のスタートに弾みをつける好材料となるだろう。しかし、過去最低の投票率が示すように、著しく熱気を欠く選挙戦でもあった。対決色の薄い与野党相乗り構図に加え、黒岩氏が“脱マニフェスト”ともいえる姿勢で新味に乏しい公約を掲げたことも、政策論争が影を潜める要因となった。

 「一票一票が経済のエンジンを回す燃料。多くの票を得て成長戦略を進めたい」と訴え、勝ち方へのこだわりも口にした黒岩氏。対立候補に大差をつけて信任を得たが、熱狂的支持があったとは言い難い。

 内実は、32年ぶりの一騎打ちという限られた選択肢の中で、厚い支持層を持つ自民、民主、公明党の相乗り効果が大きかった。

 確かに初当選した前回から40万票超上乗せし、2期目の「推進力」を得たともいえる。だが、前知事の松沢成文氏が条例11本を含むマニフェストを掲げて自民系新人に圧勝し、県民との「約束」を議会に対する力にしたケースとは異なる。黒岩氏が、向こう4年間で県民と約束したものが明確さに欠けるからだ。

 黒岩氏は公約発表で「マニフェストの時代は転換期を迎えている」と語り、選挙中も街頭で政策を訴えるより、多くの県民と握手を交わすことを重視した。

 公約に掲げた115本の施策は大半が1期目で打ち出されており、庁内や議会に波紋を起こすような「目玉」はない。県民との「約束」となる数値目標も10本だけで、その多くが無理のない数字でもある。

 ただ、1期目で着手した看板施策の進展がはかばかしくない中、新味のある公約を打ち出せる環境になかったともいえる。210万票を超える民意は2期目への期待ととらえ、着実な施策の具現化こそが求められる。


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