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2015統一地方選
県民の熱狂なき大勝 黒岩知事再始動<上>

選挙 神奈川新聞  2015年04月13日 03:00

再選が決まり、支援者と喜ぶ黒岩氏=12日午後8時29分、横浜市中区の事務所
再選が決まり、支援者と喜ぶ黒岩氏=12日午後8時29分、横浜市中区の事務所

 12日に投開票された統一地方選前半戦の知事選と相模原市長選は、ともに現職が圧倒的な強さを見せた。900万県民のかじ取り役を託す知事選では、黒岩祐治氏(60)が過去最多に迫る得票を獲得し、新人の岡本一氏(69)を寄せ付けなかった。政令市移行後2度目となる相模原市長選は、加山俊夫氏(70)が新人の中野渡旬氏(66)に大差をつけ、3選を決めた。

 支持者やスタッフら100人近くが詰めかけた横浜市中区のオフィスビル6階。午後8時にテレビのニュース速報で「当確」が伝えられると、事務所内は拍手の渦に包まれた。

 笑顔で現れた黒岩祐治氏は、支持者らと万歳三唱で喜びを爆発させた。顔を紅潮させ「黒岩という知事がいたからこそ、30、40、50年後にいのちが輝く、世界に誇れる神奈川があるんだと言われるよう、全力を注ぐ。それが負託に応える唯一の道だと思って全力投球する」と勝利宣言した。

 17日間の選挙戦では、最先端医療関連産業の創出や国際観光戦略の推進といった神奈川の成長戦略を前面に掲げた。前回同様、与野党相乗りで盤石の戦い。それでも、選挙終盤には「1票でも多くの票が神奈川の成長戦略を回す燃料となる」と述べ、勝ち方へのこだわりも見せた。

 選挙戦を振り返り、黒岩氏は「なれ合いの相乗りではなく、神奈川は一枚岩。大きな課題を早く乗り越えるために未来志向でみんなが一致した。今回の結果が大きな力になるので、圧倒的スピード感で政策を推進したい」と決意を新たにした。

 得票結果は210万票を超えた。圧倒的支持で対立候補を寄せ付けなかったが、選挙戦は熱気を欠いた。投票率が前回から4・52ポイント減と大幅に下がり、40・72%と過去最低を記録したことが雄弁に語っている。

 32年ぶりの一騎打ちで事実上の信任投票となり、盛り上がらなかった面は否めない。黒岩氏自身も県議選の無投票が11選挙区に上ったことに危機感を強め、投票率を落としてはいけないとの思いを強くしていた。

 「これしか票が集まらなかったのか、と言われたら本当のパワーが出ない」。はやる思いで始めた「握手会」では、駅頭で行き交う人に積極的に握手を求め、「握手ゲット率は高いよ」と自信を見せた。だが、スタッフが配るビラのはけは悪く、たまにマイクを握った演説も足を止めて聴く人は少なかった。

 終盤の6日、横浜駅西口のホテルで開いた総決起集会には千人超が集まった。立ち見が出るほどの盛況ぶりだったが、黒岩陣営幹部から500人規模の動員を依頼された団体もあった。“つくられた熱気”に、県政界関係者は「演出さ」とささやいた。

 黒岩氏への圧倒的支持としらけたムード。この相反する二つの間にあるものとは-。神奈川新聞社が2~5日に行った世論調査で参考となる結果が出ていた。

 


黒岩県政1期目の評価を聞いたところ、「評価する」(11・5%)と「どちらかと言えば評価する」(56・1%)を合わせ、6割強が評価していた。ただ、その理由は「目立った失策がないから」が29・7%で最も多かった。

 黒岩氏が県民の健康増進のために普及に全力を注ぐ看板政策「未病を治す」の認知度はどうか。「内容まで知っている」は8・3%にとどまり、「聞いたことがある」は29・5%。「聞いたこともない」は6割を超えた。

 数字からは、消極的支持ながらも黒岩県政を評価する有権者像が浮かぶ。「大風呂敷の割に成果がない」と言われがちな1期目だったが、黒岩氏を支えた政界関係者は、圧倒的な勝利に気を引き締めた。「期待に応え、2期目は言ったことを形にしていかなければ。言い訳は許されない」

 圧倒的支持で黒岩氏が再選を果たした。選挙戦を振り返り、再始動する黒岩県政の第2章を展望する。


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