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箱根も噴火あり得る 温地研の現場から<2>

社会 神奈川新聞  2015年04月10日 11:05

3千年前のマグマ噴火で大涌谷にできた冠ケ岳
3千年前のマグマ噴火で大涌谷にできた冠ケ岳

 箱根火山はいつ生まれたか? よく受ける質問だ。地表にある箱根の岩石は古くても40万年前ごろのもの。より古い測定値もあったが、最近の研究では正しい値でないとされる。ただ、地下にはもっと古い岩石があるかもしれない。

 火山灰や地形の研究を総合すると、最初のうち、箱根の噴火は比較的穏やかで、小型の火山がたくさんできたらしい。箱根の形は、宮崎と鹿児島の県境に広がる韓国岳、新燃岳、高千穂峰など多くの火山の集合体である現在の霧島に似ていたようだ。

 25万年前ごろから、箱根の火山活動は爆発的になった。軽石を大量に噴出し、横浜近くまで火砕流が及ぶ大噴火もあり、箱根には直径8キロ前後のカルデラができた。小松石などの石材となっている溶岩が、大噴火の合間に噴出した。

 4万年前ごろから、溶岩ドームが次々噴出した。箱根中央部の神山、駒ケ岳などだ。噴火は1990年から約5年続いた長崎の雲仙・普賢岳の噴火に似ていた。3千年前に、大涌谷近くの冠ケ岳が噴出。この時は神山が大きく崩れ、早川がせき止められて芦ノ湖ができた。その後は、何回か水蒸気爆発があった。カルデラをつくるような巨大噴火は考えにくいが、水蒸気爆発や溶岩の噴出は今後もあり得る。火山地質学の結論だ。(温泉地学研究所主任研究員・萬年 一剛

  温地研の施設公開を13日(月曜)~17日(金曜)の午前9時から午後4時まで行います。神縄断層の断面、箱根火山の地質模型などをご覧いただけます。研究員による展示の解説を午後1時から午後4時まで行います。問い合わせは温地研電話0465(23)3588。


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