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川崎談合、職員が情報漏れ示唆 積算ミスも同額で落札

政治行政 神奈川新聞  2015年04月09日 03:00

 川崎市の入札情報漏えい事件で、市建設緑政局の男性職員(38)=官製談合防止法違反罪で起訴=が情報を漏らしたとされる緑地造園事業で積算ミスがありながら、誤った価格と同額で落札されていたことが8日、再発防止に向けて市がまとめた中間報告で明らかになった。

 事態を問題視した当時の市のヒアリングに、職員が「情報が漏れていることは考えられる」と答えていたことも判明。原因究明に当たる同局の情報管理特別対策委員会は「不正を見抜くチャンスはあった」と指摘した。

 中間報告によると、職員が設計を担当した生田緑地西口の園路整備工事は2013年8月に開札され、造園工事会社・川崎工苑建設が最低制限価格と同額の約1億2300万円で落札。その後、別の入札者の指摘で生コンクリートの単価などに誤りが見つかったが、修正後も落札順位に変更はなかった。

 同局は翌9月、情報管理に問題がなかったかを確認するため、入札に関わった4人にヒアリングを実施。この職員は「(誤った最低制限価格との同額落札は)すごいなと思った」とした上で、自分以外による情報漏えいの可能性も示唆していた。

 また中間報告では、この職員が業者と2人で面会していたことも問題視。対策委は「利害関係のある業者らには原則として複数人で対応する」ことなど計7項目の情報漏えい対策をまとめ、同局の全職員に通知した。

 市によると、起訴後に保釈された職員を休職させる分限処分を3月5日に通知した際、職員は工事設計書を見せたことを認めたという。市は4月中にも再度面会して事情を聴き、事件の動機や背景などを把握したい考えという。今後、職員の刑事裁判を踏まえ、最終報告をまとめる。

6割以上 ずさん管理


 川崎市建設緑政局の6割以上の職員が工事設計書の写しを個人の机に無施錠で保管するなどずさんな情報管理をしていたことが8日、事件を受け市が実施したアンケートで分かった。「業者とは複数で対応する」という原則も徹底されていなかった。特別対策委員会は「公務員としてあってはならないこと」と厳しく批判している。

 設計書原本の保管場所について、8割超が「組織で管理するロッカー」と回答。一方、コピーなどの写しを個人の机やロッカーに保管しているとの回答は施錠、無施錠を合わせて7割近くに上り、対応が大きく分かれた。

 また、業者に対応する人数を「必ず複数」と答えた職員は2割弱。「状況により1人」が6割、「1人が多い」も2割いた。業者の車に便乗したことのある職員は6割近くに上った。

 福田紀彦市長は「危機感を持ち、情報管理の徹底と職員の意識改革に努める」などとコメントした。

 アンケートは任意・無記名で3月上旬、同局と各区の道路公園センター職員計538人に依頼。511人が回答した(回答率95%)。


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