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学校「危機感持てず」 川崎・多摩川中1殺害で検証委

社会 神奈川新聞  2015年04月01日 03:26

 川崎市立中学1年の男子生徒殺害事件を受け、同市教育委員会は31日、検証委員会による検証と再発防止策の中間取りまとめを公表した。男子生徒が通っていた中学校の対応について、「被害生徒の交友関係や思いを理解することができず、事件につながる危機感を持てなかった」との課題があったと結論付けた。

 中間取りまとめでは、教職員や生徒への聞き取り結果などを踏まえ、学校側が危機感を持てなかった点のほか▽市教委も学校の認識を高める働きかけが不十分だった▽不登校生徒への電話連絡や家庭訪問は担任で差異があり、効果的な対応や方策を検討する取り組みは弱い▽スマートフォンやSNSの普及で校外の交友関係が見えにくく、十分な指導が進められていない-などの課題を挙げた。

 一方、被害生徒の担任や学年主任らが被害生徒と継続的に関わり情報共有していた点や近隣校と連携して情報収集に努めていた点は適切だったと指摘。渡邊直美教育長は「もしも取り組んでいれば事件が防げた点がなかったわけではないが、『落ち度』という言葉を使うだけの状況ではなかった」との認識を示した。

 また、生徒からの聞き取りでは「被害少年の顔にあざを見かけた」という情報があったものの、学校側は被害生徒が学校を休み始めた1月以降の異変に関する情報をつかむことはできなかったとしている。

 検証結果を踏まえた再発防止策として、一人一人の校内外の状況把握に努めることや、不登校・長期欠席生徒への対応が組織的、柔軟に進められているかなどの指導体制の点検・強化などを学校に求めた。また警察との連携制度の締結も含めた検討を進めるとしている。

 市教委と市は有識者の意見も取り入れ、夏までに具体的な再発防止策を含めた最終報告書をまとめる。

 中間取りまとめは、男子生徒の交友関係や中学と市教委との情報共有の実態などは「プライバシーに配慮し非公開」とした。同日の市教委臨時会で了承され、同検証委と庁内対策会議の合同会議に報告。福田紀彦市長は「一人一人の生徒に対する異なる事例に丁寧に入り込んでいくことが大切。関係機関の連携、情報共有が大事だとあらためて感じている」と述べた。


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