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鎌倉「海の家、夜8時半まで」 組合側が市に譲歩

社会 神奈川新聞  2015年03月31日 03:00

海の家の営業時間などで合意し、握手する松尾市長(左から3人目)と増田組合長(右から2人目)=鎌倉市役所
海の家の営業時間などで合意し、握手する松尾市長(左から3人目)と増田組合長(右から2人目)=鎌倉市役所

 鎌倉市の3海水浴場の海の家の営業ルールをめぐり、対立が続いていた市と市海浜組合連合会は30日、今夏は営業時間を午後8時半までとすることで合意した。両者の協議は15日に決裂、松尾崇市長が条例による規制を検討する考えを表明していた。だが条例化を回避したい組合側が折れる形で、昨夏から模索していた規制内容がまとまった。

 この日、組合側の要請で市役所で開かれた協議で、由比ガ浜海水浴場の海の家でつくる由比ガ浜茶亭組合の増田元秀組合長は、「このまま(対立したまま)海開きをしても、鎌倉のためにならないとの意見が組合内部で出た」と説明。営業時間について、これまで「市の観光を衰退させ、市民の楽しみも奪う」などとして求めてきた昨夏と同じ「午後10時まで」との主張を取り下げ、「午後8時半まで」とする市側の意向を受け入れる考えを示した。

 今夏は「(市と)共同歩調で乗り切っていきたい」と呼び掛けた一方、「営業に関して条例で制約することを良しとしない姿勢は崩さない」と強調。決裂した前回協議後に条例化の検討を表明した松尾市長をけん制した。

 松尾市長は、組合側の提案を受け、条例化の検討を取り下げると応じた。またライブハウス営業は認めるという。松尾市長は「市民、行政、組合が同じ方向を向き、健全な海水浴場を取り戻したい」と述べた。

 鎌倉市の3海水浴場では、海の家の営業規定は組合の自主ルールに盛り込まれており、毎年見直しが行われる。組合側は、今夏の状況を踏まえ、来夏以降に向けては営業時間の延長を再び主張していく方針だ。

◆飲酒・音楽規制 逗子と足並み

 鎌倉市内の3海水浴場の規制内容が固まった。昨夏、「日本一厳しい」をうたい文句に音楽や砂浜での飲酒を禁止した隣の逗子市に対し、規制が緩やかだった鎌倉市では治安や風紀の悪化が目立った。それぞれ議論を重ねた両市がたどり着いた規制内容は、ビーチでは飲酒と音楽を禁止し、海の家では一定の音楽を認めるという内容。今夏は“足並み”がそろったシーズンとなりそうだ。

 海の家の「クラブ化」に象徴される治安や風紀の悪化に、両市はここ数年、悩まされ続けてきた。健全化への最大の関門は、海の家側との交渉だった。

 昨夏、周辺住民からの苦情や犯罪件数が増加したのを重く受け止める鎌倉市の松尾崇市長は、今回の交渉で規制強化の姿勢を最後まで崩さなかった。いったんは決裂したものの、条例化で来夏以降も営業が制限されることを回避したかったとみられる組合側を譲歩させた。

 とはいえ、組合側は市との共同歩調もアピールする。治安や風紀を悪化させる「マナーの悪い客」は、「われわれも来てほしくない客」という立場を繰り返し強調。海の家での酒類販売について(1)泥酔者には提供しない(2)蒸留酒は希釈する(3)一気飲みを誘引する提供はしない-といった自主ルールを追加した。

 一方の逗子市は、海の家の営業時間を午後6時半までとし全ての音楽を禁止した昨夏から、試行的な規制緩和を模索している。海水浴場の活性化につながるイベントの際に限り午後8時までの営業を認め、音楽も出力の小さいスピーカーでのBGMを認める内容だ。

 だが地元住民からは「せめて3年は厳しい規制を維持すべき」などとする反対意見も寄せられる。こうした意見を踏まえ、平井竜一市長は4月中に最終決定する考えだ。

 昨夏から一転、規制内容がそろった形の両市。周辺住民と来場者、海の家、行政がともに納得するビーチとなるのか、注目が集まる。


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