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まちの行方 茅ケ崎市長選<2>
観光 1年通じた誘客課題

選挙 神奈川新聞  2015年03月27日 00:00

観光客が少なくなる冬にも人を呼び込もうと、茅ケ崎市内で今年1月に行われたラーメンイベントの様子
観光客が少なくなる冬にも人を呼び込もうと、茅ケ崎市内で今年1月に行われたラーメンイベントの様子

 海の家が立ち並び、地元ゆかりのバンド・サザンオールスターズの名曲が心地よく流れる穏やかなビーチ。毎年恒例の花火大会も行われ、夜空を彩る。多くの家族連れでにぎわう、茅ケ崎の夏の風景だ。海水浴シーズンは、市外からの観光客が一気に増える。

 だが、「海のイメージが強い分、夏以外の時季は人通りが減り、客がぐっと少なくなる」。茅ケ崎駅南口近くのサザン通り商店街で茶商を営む市商店会連合会の小林健二会長(65)は現状を明かす。

◇ ◇ ◇

 同じ湘南地域の他都市と比べた茅ケ崎の“苦境”は、数字からも一目瞭然だ。

 2013年の観光客数は、鎌倉市の2300万人、藤沢市の1550万人に対し、茅ケ崎市は266万人。人口に対する観光客数でも、茅ケ崎市は11・1倍で、36・9倍の藤沢市や26・5倍の平塚市など近隣自治体に大きく水を開けられている。

 茅ケ崎市が昨年5月に行ったインターネットによるアンケートでは、海水浴場「サザンビーチちがさき」について「知っている」が60・7%、「訪れてみたい」が22・3%だった一方、訪れてみたい場所がないとの回答は51・7%と半数を超えた。市産業振興課は「茅ケ崎のブランドイメージは全国区だが、海以外に観光に結びつくような名所や施設が少ないという現実を突き付けられた」と受け止める。

 知名度アップのため、映画やドラマのロケ地としてPRしたいが、「人手不足で取り組めていない」と市観光協会。冬のラーメンイベントや、秋の音楽イベントなど、夏以外の催しに力を入れたことで2013年の観光客消費額は27億1200万円と毎年3億円前後増えている。それでも客1人ではわずか千円程度と、地域経済の活性化には心もとない数字だ。

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 今月8日、さがみ縦貫道路(圏央道)の最後の整備区間だった海老名ジャンクション-寒川北インターチェンジ(IC)がつながり、全線開通した。「例えば海のない長野県など、日本海側のビーチに行っていた人々も湘南に来やすくなる」と茅ケ崎の観光関係者の鼻息は荒い。

 一方で、東側は鎌倉や藤沢、西側は箱根という全国的な知名度を誇るライバルに挟まれている。道路事情が良くなったが故に、“通過点”となってしまう可能性もある。

 茅ケ崎商工会議所と市観光協会が5年前から要望してきた「道の駅」の整備はやっと本格化。新湘南バイパス茅ケ崎海岸IC近くが予定地で、開業目標は19年7月という。今月10日には古代の役所跡である「下寺尾官衙(かんが)遺跡群」が正式に国史跡に指定されてもいる。

 市観光協会は「最も茅ケ崎の魅力をPRできる夏ですら、湘南にはライバルが多い。それ以外のシーズンでも観光客を誘致できるような対策を講じる必要がある」と話している。


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