1. ホーム
  2. 社会
  3. 秋田・玉川温泉雪崩 遺族、不服申し立て検討へ

秋田・玉川温泉雪崩 遺族、不服申し立て検討へ

社会 神奈川新聞  2015年03月26日 03:00

 「管理者の責任がなぜ問われないのか。不合理で不条理だ」

 雪崩による事故で妻の悦子さん=当時(63)=をなくした夫の草皆(くさかい)行雄さん(66)=横浜市泉区=は、秋田地検の不起訴処分に憤りを隠さない。事故から3年たったが、「なぜ妻は事故に遭い、死ななければならなかったか」という答えは得られず、苦しみ続けている。

 法的責任を認めようとしない岩盤浴場関係者の姿勢に憤りを募らせ、事故の3カ月後に被害届を提出。刑事裁判での真相究明に期待をかけてきた。だが検察官からは「これまでに前例がなく、事故は予見できなかった」と不起訴の理由を説明されたという。

 「前例がなければ許されるのなら、同じような事故が繰り返されてしまう。犠牲者を再び生まないためにも、刑事責任を追及してほしかった」。草皆さんは悔しがる。

 悦子さんは夫婦で湯治に訪れた初日に、事故に巻き込まれた。出発前、旅館にも事前に降雪の影響を確認したところ、「問題はない」と回答されたという。草皆さんは偶然、現場の岩盤浴場を離れていたため助かったが、「管理者側が対策を取ってくれないと、利用客としては防ぎようがない」と怒りを込める。

 真相解明を求め、昨年4月には管理者や旅館などを相手に横浜地裁に民事訴訟も起こした。だが、被告側は自分たちの法的責任を否定。謝罪もない。責任を追及するため、今回の不起訴処分について検察審査会に不服申し立てをするか検討するつもりだ。

 悦子さんには、今回の処分は伝えていない。報告できるだけの結果を、まだ何も得られていないからだ。「誰も責任を問われなければ、遺族は一生苦しむことになる」。やり場のない怒りが、草皆さんの心中をかき乱している。

【神奈川新聞】


シェアする