1. ホーム
  2. スポーツ
  3. 決意の春 谷田成吾(慶大/外野手)

大学野球注目の顔(1)
決意の春 谷田成吾(慶大/外野手)

スポーツ 神奈川新聞  2015年03月24日 03:00

ティー打撃に汗を流す慶大の谷田=横浜市港北区の慶大野球部日吉グラウンド
ティー打撃に汗を流す慶大の谷田=横浜市港北区の慶大野球部日吉グラウンド

◇パワー磨く 左の大砲

 球春は選抜高校野球大会だけではない。大学野球の各リーグは間もなくシーズンイン。神奈川ゆかりの選手たちは決意を持ち、この春に挑もうとしている。注目は学生大会の最高峰、第28回ユニバーシアード競技大会(7月1日開幕、韓国・光州)の日本代表候補に選ばれている5選手。彼らの今に迫った。

 今月18日、日本代表選考合宿の2日目。社会人野球の名門、JX-ENEOSとの練習試合でプロ注目のスラッガーのバットが火を噴いた。

 内角球に反応。強烈な打球が右翼席へ一直線に突き刺さった。日本代表を指揮する善波達也監督(52)が「チーム一の飛距離」と舌を巻くのは慶大新4年の谷田成吾(21)。その打棒もさることながら「まだ状態は良くない」と満足しない向上心に高い将来性がうかがえる。

 桁違いのパワーは高校時代から既に発揮されていた。慶応高が春の選抜大会に出場した2009年。初戦負けで肩を落として帰浜したナイン、そして首脳陣の顔色を一変させたのが入部したての谷田だった。

 練習試合で左投手が投じた内角のカーブに崩されず引っ張り、右翼後方に張られたネット上部に突き刺した。「これはものが違う」。慶応高の上田誠監督(57)が確信した逸材は1年春から主砲の座を射止め、高校通算76本塁打をマークした。

 勢いをそのままに、慶大でも1年春から活躍。13年秋に打率3割4厘をマークすると、14年シーズンは週に2日のウエートトレーニングを自主的に取り入れてレベルアップ。春秋を通じて打率3割に乗せ、年間7本のホームランを放った。

 身長183センチ、体重は90キロ。「1年間で太もも回りが一気に太くなった」とチームメートが目を丸めるような、強(きょう)靱(じん)な下半身が長打力を支えている。

 そんなパワーのルーツは幼き頃にある。小学1年から硬式野球のクラブに入部し、埼玉・川口市立北中では陸上部で3年間足腰を鍛えた。

 父昌弘さんは消防士。「休日が多かった分、自宅の庭でいつも野球を教えてくれた」という父は「(打球を)遠くに飛ばすと喜んでくれた」という。

 さらなる飛躍を遂げたい今季、谷田はこれ以上ない援軍を得ている。慶大監督に新たに就任したのは、プロ野球近鉄でプレーし、JX-ENEOSを都市対抗大会3度の優勝に導いた大久保秀昭氏(45)。「チームという枠を超えて大学野球を引っ張る存在」という新監督の下で、苦手コースの克服などに汗している。

 高校1年時から「慶応大学で4年間プレーしてプロに行く」と心に決めていた。ユニバーシアードはそのためのステップ。「いい選手はたくさんいる。自分に足りないものは全て吸収しておきたい」

▼やだ・せいご 慶大新4年。外野手。埼玉・川口リトルで小学1年から野球を始め、中学1年時に同チームで世界大会準優勝。慶応高で通算76本塁打を放ち、慶大3年時の昨年には東京六大学リーグ春季ベストナインに輝いた。慶大OBの高橋由伸(巨人)の「2世」とも称される。183センチ、90キロ。右投げ左打ち。21歳。埼玉県出身。

◆ユニバーシアード競技大会 国際大学スポーツ連盟(FISU)が主催する学生を対象にした国際総合競技大会で、2年ごとに夏季、冬季に開催される。野球は明大の善波達也監督が指揮を執る。メンバーは昨年11月末の松山合宿などを経て66人から31人まで絞られ、最終登録の22人は31日の選手選考会議を経て4月末までに決定する。ポジション別の人数は投手8、捕手2、野手12が目安となる。

【神奈川新聞】


シェアする