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72万都市の課題・相模原市長選<2> 
広域交流拠点 どう描く未来のまち

政治行政 神奈川新聞  2015年03月23日 14:08

 「広域交流拠点都市」を形成し、新都心を実現させる-。最近の相模原市を語る際の、欠かせないキーワードだ。

 市内では、関係する大規模プロジェクトが相次ぐ。リニア中央新幹線は橋本駅南口に中間駅の設置が決まり、さがみ縦貫道路(圏央道)は3月に全線開通した。JR横浜線相模原駅北側の在日米陸軍相模総合補給廠(しょう)は一部約17ヘクタールが昨年9月に返還され、公共施設や商業施設、南北道路などの建設が計画されている。さらには小田急多摩線の唐木田駅(東京都多摩市)から相模原駅、JR相模線上溝駅方面への延伸構想もある。

 リニアや縦貫道などの巨大動線と一体となったまちづくりで、首都圏南西部の玄関口、県の北のゲートとしての役割を担おうというのだ。

 市はこれらのプロジェクトを「大きなポテンシャル(潜在能力)」と捉え、橋本・相模原両駅周辺を一体的なエリアとして整備する方針。リニアが品川-名古屋間で先行開業する2027年を「まち開き」の目標としている。15年度中に整備計画の策定を目指す。

 広域交流拠点の形成を進める上で、市が欠かせないと位置づけるのがJR横浜線の連続立体交差化(地下化、または高架化)事業だ。同線がまちづくりの対象地域を南北に分断しているためで、市は14年度から施工方式の検討のほか、地盤や構造、騒音など課題の抽出に着手している。

 市議会3月定例会議の代表質問でこの事業が取り上げられ、市長の加山俊夫は「踏切部における交通渋滞の解消や安全性の向上、駅周辺における一体的なまちづくりを実現することができ、大変意義のある事業」と必要性について答弁。検討区間は「矢部駅から橋本駅までのうち、相模原駅を中心に約3・7キロ」と明らかにするなど事業化に前向きな姿勢を見せた。地下化、高架化については、神奈川新聞社の取材や2月の定例会見で「現段階では地下化が考えられる」と明言している。

 ただ、連続立体交差化を実現するには多大な費用を要する。市議会3月定例会議で市が示した近隣事例では、地下方式を採用した京王線の調布駅付近(区間約4キロ)で工事期間約11年、事業費約1150億円かかった。これに対し、市議からは費用対効果や過大な投資をただす質問があった。

 もちろん、広域交流拠点づくり全体の総費用はこれをはるかに上回る。15年度一般会計当初予算案を採決する20日の市議会3月定例会議では、複数の市議が「大型開発優先のまちづくりに突き進めば、市民サービスが削減・抑制されることが懸念される」「多額の市債だけが残される事態を避けなければならない」などとそれぞれが反対の立場で討論を行った。

 「50年、100年先を見据えた広域交流拠点の都市づくり」と決意を語る加山の思いは強い。まちづくりへ「市の本気度」に対し、市民はどう判断を下すのだろうか。=敬称略


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