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「消滅」可能性の9市町村 人口増へ特効薬なく

社会 神奈川新聞  2015年03月23日 13:43

 民間の有識者組織「日本創成会議」(座長・増田寛也前岩手県知事)が昨年発表した「消滅可能性都市」。名指しされた県内の9市町村はいずれも「消滅」への危機感を抱く。2015年度一般会計当初予算では、定住促進や子育て支援など政策に知恵を絞るものの、「人口減対策に特効薬はない」と悩ましい本音も聞こえてくる。

 



 同会議は昨年5月、現在のペースで少子化や地方から大都市への人口流出が続けば、全国896自治体が10~40年の30年間で、20~30代の女性が半分以下に減る「消滅可能性都市」になるとして実名を挙げた。

 県内では三浦市、二宮、松田、山北、箱根、真鶴、大井、湯河原町、清川村の9市町村を列挙。中でも松田、山北、箱根、真鶴町、清川村は「消滅の可能性が高いと言わざるを得ない」と指摘された。

 共同通信社が県内の全33自治体に実施したアンケートでは「自らの自治体が将来、単独では立ちゆかなくなり、『消滅』しかねないとの危機感を抱いている」と回答したのは6割強の21自治体に上った。名指しされた9市町村はいずれも「強い」か「ある程度」の危機感を表明した。

 こうした中、9市町村は当初予算案にさまざまな人口減対策を盛り込んだ。子育て世代を呼び込む施策として小児医療費助成(通院)の対象年齢について三浦市、二宮、愛川、湯河原町が拡充。すでに松田や山北、箱根町、清川村は中学3年までで、県内で最高の助成を実現。15年度以降も維持する。

 さらに、よりきめ細かな独自政策として松田町は婚活イベント事業の運営補助に10万円を計上。また、町外から定住者を呼び込もうと、町外に転出した卒業生が参加する小中学校の同窓会を支援するほか、町内に住む親の近くに住むために住宅を建てたりする若い世帯を補助するなどの取り組みも新規事業として打ち出した。

 現在の人口は約1万1千人で、ピークの20年前に比べ2千人程度減少。定住少子化担当室は「20~40歳の未婚率が県内でも高い。独立して町外に出た若い世代が戻ってくる取り組みに力を入れたい」と話す。

 清川村は、移住や定住の促進に向けたプロモーション動画を作成する。さらに空き家3戸を借り上げて村営住宅として貸し出す事業に乗り出す。

 同会議の試算で20~30代女性の人口が約7割減になるとして県内で最も影響を受けそうな箱根町は15年を「ストップ少子化元年」と位置付けた。不妊・不育症治療費の助成などをスタートするほか、新たな定住化施策の検討を進める予定だ。消滅可能性都市は県西部に集中しているだけに個別の対策だけでなく「スケールメリットを生かし、広域連携などを検討する必要がある」(大井町)との声も出た。

 市で唯一名指しされた三浦市。「特効薬はない」(政策課)と頭を悩ませるが、観光振興により訪れる人を増やすことで間接的に人口増につなげたい考えだ。

◆将来の「消滅」に対する自治体の危機感

【強く抱いている】松田、真鶴町

【ある程度抱いている】相模原、平塚、鎌倉、三浦、秦野、厚木、伊勢原、海老名市、寒川、大磯、二宮、中井、大井、山北、開成、箱根、湯河原、愛川町、清川村

【あまり抱いていない】横須賀、茅ケ崎、逗子、南足柄市、葉山町

【抱いていない】横浜、川崎、藤沢、小田原、大和、座間市

【無回答】綾瀬市

【神奈川新聞】


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