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徘徊訓練で認知症対応 高齢化率1位の真鶴町

社会 神奈川新聞  2015年03月20日 23:23

認知症患者役の女性(右)を発見し、声を掛けた地域住民=真鶴町真鶴
認知症患者役の女性(右)を発見し、声を掛けた地域住民=真鶴町真鶴

 認知症患者が徘徊(はいかい)し、町内で行方不明になった事態を想定した対応訓練が19日、真鶴町で行われた。同町は全人口に65歳以上の人が占める高齢化率が約37%と県内最高値(2014年1月現在)である一方、住民同士の結びつきが強い。こうした風土を生かし、今後増加が予想される認知症患者を地域全体でサポートしていこうと、同町と県による県内初の訓練実施となった。

 「赤いジャンパーを着ています」。町内全域で放送される防災無線で、町職員が扮(ふん)する「認知症患者」の服装が読み上げられると、10分もしないうちに住宅地や食料品店内などを徘徊している患者役に地域住民が寄ってきた。1時間の訓練で患者役に声を掛けた町民は15人に上った。

 声を掛けてきた町民らには町役場や警察署の連絡先などが記載されたカードを手渡し、協力を要請。患者役を発見した同町の宮口定子さん(75)は「自分も(認知症になったら)捜される側になるかも、と考えるようになった」と認識を新たにしていた。

 人口約7800人のうち3千人弱を高齢者が占める同町。港町として栄え、現在も漁港周辺の狭い範囲に住宅が集中している。数世代にわたり真鶴で暮らす住民も多く、地域での人のつながりに関しては町職員も「“向こう三軒両隣”の精神が今も残っている」と自負するほど強い。県小田原保健福祉事務所の望月真里子保健師も、訓練で多くの町民が患者役を発見できたことについて「人間関係が密接だからでは」と分析する。

 県は今回の成果や課題を踏まえ、今後は比較的規模が大きい市町村や複数の自治体で連携を確認する広域訓練の実施なども検討する予定という。

【神奈川新聞】


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