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2000万円の理化学機器 横浜市立高で未活用

社会 神奈川新聞  2015年03月19日 18:25

横浜サイエンスフロンティア高校が所有するDNAシークエンサー(横浜市教育委員会提供)
横浜サイエンスフロンティア高校が所有するDNAシークエンサー(横浜市教育委員会提供)

 横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校(同市鶴見区)が2009年4月の開校に合わせて約2千万円で購入した理化学機器「DNAシークエンサー」がこの6年間で4回しか使われず、今後も使用予定がないことが18日、分かった。1回稼働する際の費用が高く、使用希望する学生も集まらなかった。市教育委員会の担当者は「本物に触れて探求心を育む狙いで導入したが、計画通りにいかず残念」と話している。

 市監査委員は具体的な活用策の検討などを求めており、市教委は他に利用する市施設がないか探している。

 市教委高校教育課や監査報告書などによると、同機器はDNAなどの塩基配列を解析する装置。「先端科学技術に触れる」をコンセプトとする同校の開校に合わせて08年度に1995万円で購入した。学校の備品として1千万円を超える機器の購入は珍しいという。

 開校準備段階で、全校生徒(定員720人)が1度は同装置を使うカリキュラム(教育課程)を検討していたため購入。しかし、購入後の検討で主に1、2年次に行う課題研究型授業「サイエンスリテラシー」で同装置を利用する研究テーマを掲げ、使用を希望する生徒がいた場合に稼働させることが決まった。

 ただ、最大で90検体の解析ができる同装置を1回使うのに試薬などの諸費用が約20万円かかることや、希望する生徒が集まらないなどの理由から本来の研究目的で稼働する機会はなかった。開校した09年度から12年度までの4年間で生徒へのデモンストレーションとして年1回ずつ計4回の稼働にとどまった。

 さらに外部の民間検査機関の充実により、外部委託が1検体3千円程度で可能となったことから、13年度以降の利用実績はゼロ。今後の使用予定もないという。

 市監査委員は早急な活用策の検討のほか、他部署での活用、売却、廃棄、技術の進歩に対応した計画的な機器の更新などの適正な管理を求めている。同課の担当者は「売却も検討したが、技術の進歩が早く、すでに機器は古すぎて買い手がつかない状態。活用できる施設を探していく」と、対応に苦慮している。

 同校は14年度に文部科学省の「スーパー・グローバル・ハイスクール」の指定を受けるなど、県内有数の進学校として知られている。

【神奈川新聞】


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