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30年の歴史に幕
松坂投手ら横浜高生常連 ファストフード店が閉店へ

社会 神奈川新聞  2015年03月16日 12:00

サイン入りユニホームを横浜高校野球部員に披露し、談笑する大塚幸子さん=横浜市金沢区のサンテオレ能見台店
サイン入りユニホームを横浜高校野球部員に披露し、談笑する大塚幸子さん=横浜市金沢区のサンテオレ能見台店

 平成の怪物にも愛されたファストフードチェーン店が今月、30年の歴史に幕を下ろす。京急線能見台駅前にある「サンテオレ能見台店」(横浜市金沢区)。プロ野球ソフトバンクの松坂大輔投手(34)をはじめ、横浜高校野球部ナインのおなかと心を長く満たしてきた。最後の営業は18日。同校OBやファンが詰め掛け、閉店を惜しんでいる。 

 壁一面には同校から巣立った選手のサイン色紙や写真がずらり。横浜DeNAベイスターズの主砲、筒香嘉智外野手(23)といったプロ野球選手のほか、ことし1月に十数年ぶりに訪れたという同校野球部OBでタレントの上地雄輔さん(35)の名もある。

 京急線能見台駅前に店ができたのは1986年。店のマネジャー大塚幸子さん(64)と、夫で店長の義雄さん(68)はつかの間の休息にくつろぐ球児たちを見守ってきた。

 必ずプロに行くと口癖のように語っていた選手、先輩に見付からないよう隠れるようにハンバーガーができるのを待っていた選手。20席ほどの小さな店内には思い出がいっぱい。2人の脳裏には初々しかった一人一人の顔が浮かぶ。

 活気に満ちたのは、同校が甲子園で春夏連覇を遂げた1998年。「松坂君は1年生のころから先輩のお使いで来ててね。まさかあんなにすごい投手になるなんてね」。幸子さんにとっては元大リーガーもわが子同然。「カウンターの中に入って『いらっしゃいませ』なんて、おちゃらけたこともあったっけ。注目されても、ここでは普通の高校生だった」

 松坂投手と同い年、ベイスターズでコーチを務める小池正晃さん(34)は言う。「大輔とかと部室で話せないようなこと、恋愛の話もしたかな。おばちゃん(幸子さん)と話しながら過ごすのが習慣になっていて、まさに青春の一ページだった」。甘酸っぱい記憶が詰まった店が閉じるのを伝え聞き、同じく松坂投手の同期の後藤武敏内野手(34)はレプリカユニホームにサインをしたためて来店した。多くの人が寂しがっている。

 「横浜スタジアムに店を出してよなんて言ってくれて。(野球部OBが)立派になっても忘れないでいてくれたことがうれしい」。幸子さんはいつしか目に涙をためる。「もう年だし、いい潮時。これからはやっと甲子園まで応援に行くことができるかも。プロ野球も見に行きたいな」

【神奈川新聞】


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