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藤嶺藤沢の非常勤コーチに 元西武・石井貴氏

高校野球 神奈川新聞  2015年03月14日 03:00

ブルペンで投げ込みを見詰める石井コーチ(中央)=藤沢市の藤嶺藤沢高
ブルペンで投げ込みを見詰める石井コーチ(中央)=藤沢市の藤嶺藤沢高

◇経験伝え 恩返しを
 プロ野球西武で投手として活躍した石井貴氏(43)が母校の藤嶺藤沢高の非常勤コーチに就任し、13日に初めて選手を指導した。2004年の日本シリーズで最優秀選手賞(MVP)に輝いた右腕は「時代がようやく変わった。ここで指導するのが一つの夢だった。最高だね」と感慨深げにグラウンドを踏みしめた。

 「経験を伝えたい。どんどん質問に来て。一緒に甲子園を目指そう」

 練習前、石井コーチは柔和な表情で語り掛け、ブルペンで約2時間半、投手陣を見守った。

 選手をあだ名で呼び、身長や体重、持ち球、故障経験などを尋ね、メモ帳に書き込んでいく。

 「バッターは(元日本ハムの)稲葉だ。さあ、どう組み立てようか」

 一球ごとに問い掛けて状況判断の大切さを伝えたり、球の握りやテークバックの方法などを教えたり。濃密な時間は瞬く間に過ぎた。

 元プロの投手コーチでもある大先輩の薫陶を受けた松島健斗投手(2年)は「すごく刺激になった。次は自分から質問できれば」と感激の面持ち。石井コーチの2学年後輩で、4月から新監督に就任する同高OBの中丸洋輔部長(41)は「(石井さんは)雲の上の存在。生徒たちにはどんどん取り入れてほしい」と指導に感謝した。

 同校は、ノーシードから勝ち上がって初出場を決めた1985年夏を最後に、甲子園から遠ざかる。ことしは学校創立100周年、2月には人工芝のグラウンドも完成した。

 そんな節目の年に、指導者として母校に戻った石井コーチは「縁を感じる。ずっと恩返しをしたかった。まさかこんな日が来るとはね」とはにかみ「(コーチを含め)プロ20年間で学んできたことを教えたい」。野球解説者を務める傍ら、今後は週に1度のペースでコーチを務める予定だ。

 89年夏。3年生の石井コーチは、神奈川大会の4回戦で散った。「母校は強くあってほしいし、その手助けができれば」。聖地にはせる思いは卒業から四半世紀を経た今も、胸の中にくすぶっている。

 藤嶺が生んだ最高の投手とともに、30年ぶりの甲子園へ-。古豪が再スタートを切った。

○いしい・たかし
 藤嶺藤沢高から三菱重工横浜を経て、1993年ドラフト1位で西武に入団。右の本格派として68勝58敗13セーブを挙げた。2007年に現役引退し、08年から13年まで西武の投手コーチなどを務めた。日本学生野球協会の研修を受け、ことし1月にアマ指導の資格を回復した。

【神奈川新聞】


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