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空き店舗で起業橋渡し 小田原の活性化へ新会社 

話題 神奈川新聞  2015年03月13日 15:20

「旧三福不動産」のオフィスで談笑する(左から)渡辺さん、加藤さん、山居さん=小田原市栄町
「旧三福不動産」のオフィスで談笑する(左から)渡辺さん、加藤さん、山居さん=小田原市栄町

 社会問題化している空き家や空き店舗の増加に対して、小田原市内の空き店舗を拠点に活動する市民らが、不動産会社を設立した。空き店舗を活用した起業や、空き家となっている古民家への移住などをサポート。地域の産業活性化や定住促進につなげる民間の新たな取り組みとして注目を集めそうだ。

 会社を設立したのは、同市在住の広告ディレクター山居是文(よしふみ)さん(36)と、別の不動産会社から今回独立した渡辺実さん(42)、材木会社に勤務していた加藤英二さん(42)。

 山居さんらは2012年から、小田原駅近くの商店街にあった中華料理店「三福」跡の築約50年になる空き店舗と2階部分の木造アパートを借り上げ、共同の仕事場(シェアオフィス)やイベントスペースとして貸し出す活動を展開してきた。

 不動産会社「旧三福不動産」は昨年9月に設立。資本金は108万円で、増加する空き家や空き店舗の有効活用に重点を置くことにした。メンバーには宅地建物取引主任者(宅建)や1級建築士もおり、宅地建物取引業免許を今年2月に取得した。

 旧三福2階部分の一部を改装工事し、今月1日に店舗兼事務所をオープン。その前から「古民家に引っ越したい」「空き店舗で飲食店を開業したい」といった相談が寄せられ、既に空き家物件の成約に向けて手続き中の顧客もいるという。

 新会社は市内をはじめ県西地域を営業エリアとする。「空き家や空き店舗は通常の物件よりも比較的安く、需要はあるはず。物件の発掘から所有者との交渉まで手掛けたい」と山居さん。これまでの活動で培った、既存の建物を大規模に改修して機能性・デザイン性を高める「リノベーション」や、顧客が店を開業する際の宣伝支援の事業も行うなど、一般の不動産会社との差別化を図る。

 小田原市によると、市内の空き家は約1万軒(推定)、空き店舗は約300軒(小田原駅周辺の21商店街内)。社会的流出などによる人口減の進行、地域経済の停滞などでいずれも増加傾向だ。

 山居さんは「小田原駅から数百メートル離れただけで空き店舗や空き家が目立つ。今後の人口減社会は避けられないこと。それによって街が衰退していくのではなく、空き家や空き店舗を有効活用することで地域がうまく回る仕組みを築いていきたい」と意気込んでいる。

【神奈川新聞】


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