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旬感:宮藤官九郎 「あまちゃん」脚本家 小舞台で夫婦愛を叫ぶ

カルチャー 神奈川新聞  2015年03月11日 03:00

宮藤官九郎(写真左)が出演する舞台「結びの庭」が東京・本多劇場で上演されている。麻生久美子ら共演
宮藤官九郎(写真左)が出演する舞台「結びの庭」が東京・本多劇場で上演されている。麻生久美子ら共演

 舞台は、結婚1年目を祝うデートを終え帰宅したところから始まる。妻を抱き寄せ、窓辺でキス。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(2013)の脚本を手がけた宮藤官九郎(44)が三つ揃いの細身のスーツを着こなすエリート弁護士役を務める。「かっこいいオレを見ることができるのはここだけ」と自負するほど、かっこつけている。

 美しい妻を演じるのは、映画「カンゾー先生」(1998年公開)のヒロイン役などで知られる演技派の麻生久美子(36)。パールカラーのワンピースに身を包み、その美貌で夫をとりこにする。夫は「結婚して1年も経つのに、まだ妻のことが大好きなままなんだ。好きなままの理由が知りたい」とベタぼれだ。

 お手伝いさんを雇い、大豪邸に暮らす。幸せいっぱいに見えるが、2人が出会ったきっかけは5年前に起きた殺人事件。恋人殺しの容疑者と、弁護士としてだった。

 無罪を勝ち取り、生まれた絆から夫婦に。愛しい人と共にある日々に宮藤は有頂天だったが、妻はいつも同じ夢に悩まされていた。夢と共に繰り返す寝言。一心に妻を愛する夫は、自分だけが知る妻の顔に満悦だが、妻は無意識のときの自分が隠し通さなくてはいけない“秘密”を暴露しているのではないかと不安にさいなまれている。

 「何を言っているのか気になる」と声色を変え迫る妻。美しく、しとやかと“思い込んでいた”妻の変化にうろたえた宮藤は、「見ないようにしていた」もののふたを開け、引き返すことができない大事件につながっていく。「私たちは同じ夢を見るのよ」と宮藤に迫る場面は、狂気そのものだ。

 舞台「結びの庭」が上演されている「本多劇場」(東京都杉並区)は386席の中規模劇場。演者、観客が互いに呼吸を感じることができるところが魅力だ。映画やドラマの撮影とは違い、始まれば終わるまで進むしかない。見逃したり、聞き逃してしまえば置いて行かれてしまう。こちらも一瞬、一瞬が真剣勝負だ。公演は25日まで同地で。4月12日の新潟まで、大阪・広島など8カ所をめぐる。

◇くどう・かんくろう 1970年7月19日、宮城県生まれ。91年から劇団「大人計画」に参加し俳優・演出などをこなす。テレビドラマ「木更津キャッツアイ」「タイガー&ドラゴン」など人気作品の脚本を数多く手がけ、2013年のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」は社会現象を起こす大ヒットに。阿部サダヲとともに組むバンド「グループ魂」ではギタリストを務めている。

【神奈川新聞】








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