1. ホーム
  2. 社会
  3. さがみ縦貫道路

全通の先に〈中〉経済効果 利便性増し地価上昇
さがみ縦貫道路

社会 神奈川新聞  2015年03月08日 03:00

さがみ縦貫道路:全通の先に〈中〉経済効果 利便性増し地価上昇
さがみ縦貫道路:全通の先に〈中〉経済効果 利便性増し地価上昇

 ことし1月。延べ床面積15万平方メートル超の物流施設「ロジポート橋本」が相模原市緑区にお目見えした。ラサール不動産投資顧問(東京都千代田区)と三菱地所(同)が共同開発したこの大規模施設は、相模原愛川インターチェンジ(IC)から7キロに立地。さがみ縦貫道路を意識したことは言わずもがなだ。「首都圏と西日本エリアの結節点だけでなく、首都圏を走る高速道路にもつながっており、都心部を経由することなく効率的に輸配送ができる」。ラサール社は縦貫道路の利便性をこう語る。

 沿道には他にも、大規模な物流施設の計画が相次ぐ。外資系物流会社のグローバル・ロジスティック・プロパティーズ(東京都港区)は2013年12月末、相模原愛川ICから2キロの地に「GLP厚木」(愛川町)を完成させた。ことし4月と6月には綾瀬、座間市内にも誕生する予定で、GLP厚木の近くにさらにもう1棟開発する。「大量消費地の首都圏に当日や翌日に配送できるなど、物流施設立地として利便性、効率性の点からプラスの面が大きい」と同社。三井不動産(東京都中央区)が新たに開発する4棟の物流施設のうち2棟は平塚市内だ。寒川南ICから3キロ、6キロに建設する予定で、「東名高速道路などに加えて当然、縦貫道路も考慮した」。

■ ■

 交通の利便性が高まるチャンスをつかもうとするのは企業だけではない。人口減少社会を迎え、膨らむ福祉費に頭を悩ませる自治体も、歳入の柱の法人市民税を増やそうと、企業誘致に向けて動きだしている。

 近隣市に比べ、市内企業が少ない茅ケ崎市もその一つ。縦貫道路の全線開通を「交通網が全国的につながる一大転機」と捉え、寒川南ICから0・5キロの萩園上ノ前地区を、流通や製造といった企業を誘致する産業系市街地に整備する。計画地に新たに誘致できるのは3社ほど。担当者は「経済波及効果は最大で年間約100億円という試算も出ている」ともくろむ。

 市内事業所数が1万を超える厚木市も危機感を募らせる。人件費などが安い海外に生産拠点を移転する国内企業が増えたためだ。「既存の市内企業も、海外流出する可能性がある」と担当者。「機会を逃さず、地域雇用が生まれる内需型の製造業を中心に呼び込めれば」と、市西部に半世紀ぶりに産業系の大規模用地を開発する。20社ほどの進出を見込む。

■ ■

 企業や自治体のこうした動きは当然、沿道の地価にも影響する。

 昨年3月に国土交通省が公表した公示地価。工業地では厚木、寒川、相模原、綾瀬の4市町が前年に比べて上昇した。同省は「県央を中心に物流需要に根強いものがあり、やや強い動きとなっている」と分析。ことし1月1日現在の公示地価の公表が間近だが、浜銀総合研究所の湯口勉主任研究員は工業地について「今回も強めの数値になるのでは」と予測している。


シェアする