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M8級と同時に活動 神縄・国府津-松田断層帯

社会 神奈川新聞  2015年03月07日 03:00

神縄・国府津-松田断層帯
神縄・国府津-松田断層帯

 日本の主な活断層の中で将来の地震発生確率が最も高いと分析されてきた県西部の神縄・国府津-松田断層帯について、政府・地震調査委員会が「単独で地震を起こす可能性は低い」と見解を大幅に修正していたことが分かった。今後、正式に評価内容を見直すが、既に1月から確率の算出を取りやめている。一方で、関東大震災級の巨大地震を繰り返し起こすプレート(岩板)境界部の相模トラフと連動するケースがあるとみており、専門家は「地表に近いこの活断層が一緒に動けば、揺れが強くなり津波も高くなる」と警戒する。

 同断層帯はこれまで、単独でマグニチュード(M)7・5という内陸では最大規模の大地震を起こす活断層として地震発生確率が算出されてきた。30年以内の確率は昨年1月の時点で最大16%で、調査された110の活断層で最高値となっていた。

 だが、文部科学省の研究プロジェクトで東大地震研究所などが2011年度まで地下構造探査を行ったところ、プレート境界から枝分かれした分岐断層であることが判明。地震調査委はこの新知見を踏まえ、昨年12月の長期評価部会で「主要部の国府津-松田断層は同トラフ沿いのM8級の地震の何回かに1回の割合で同時に動く」と判断を見直した。

 これにより、同断層帯の地震発生確率は今年1月から算出されなくなり、昨年は2番目だった日奈久断層帯(熊本県)の確率(30年以内で最大16%)が現時点では最高となっている。

 歴史上、明らかな相模トラフのM8級は200~400年間隔で起きてきた。直近は1923年の関東大震災(大正関東地震)で、その一つ前が1703年の元禄関東地震。それ以前については、鎌倉時代の1293年に永仁関東地震があったとの説が有力になり、調査委も昨年から同地震の存在を認めている。

 一方、同断層帯の最新の活動時期は地質調査から12~14世紀前半と判明しており、この年代に該当する永仁関東地震が活断層との連動地震だったとみられている。

 活断層の周辺や相模湾の海域で探査を続けてきた東大地震研究所の佐藤比呂志教授(構造地質学)は「次のM8級で分岐断層が連動するかは分からないが、防災対応は連動を前提に考える必要がある。断層がずれることで地表に食い違いが生じ、場所によっては構造物などに被害が生じる恐れもある」と指摘。一方で「次の地震が差し迫っているわけではない。今後、建物を建て替える際に立地を見直すといった長期的な視点で対策すべきだ」との見方を示している。

 相模トラフでM8級が発生する確率については、30年以内で最大5%、50年以内では最大10%と調査委は見積もっている。神縄・国府津-松田断層帯の地震発生確率はこの中に含まれる形となっている。

 ◆神縄・国府津-松田断層帯 静岡県小山町から神奈川県の山北、松田、大井各町をへて小田原市に至る総延長25キロ以上の活断層。JR御殿場線にほぼ沿って延びる国府津-松田断層を中心に松田北、日向、神縄などの各断層で構成される。県が2001~03年度に行った掘削調査で最新活動時期は12~14世紀前半、平均活動間隔が800~1300年と判明。海側でプレート(岩板)境界につながっていることが明らかになる一方、内陸の北西方向の延長部は富士山の火山灰などに覆われているため、十分に解明されていない。

【神奈川新聞】


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