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川崎・多摩川中1殺害
「生意気だ」殴る蹴る リーダー格の恨み引き金か

社会 神奈川新聞  2015年02月28日 03:00

手を合わせ、男子生徒の冥福を祈る人たち。河川敷には、花を手向ける人が絶え間なく訪れた=27日午後3時10分ごろ、多摩川河川敷
手を合わせ、男子生徒の冥福を祈る人たち。河川敷には、花を手向ける人が絶え間なく訪れた=27日午後3時10分ごろ、多摩川河川敷

 13歳の少年を殺(あや)めた容疑で逮捕されたのは、17~18歳の少年3人だった。川崎市川崎区の多摩川河川敷で市立中学校1年の男子生徒(13)が遺体で見つかった事件。27日で発生から1週間、捜査は大きく進展したが、「(男子生徒は)戻ってこない」と同級生や地域住民らの怒りや悲しみは消えない。一方、男子生徒が事件に巻き込まれた経過が、仲間の証言から浮かび上がってきた。

 「いつも明るくて笑顔で、いいやつだった」。同じ少年グループとして行動していたという男性(20)は27日、遺体発見現場の河川敷で取材に応じた。

 男子生徒と出会ったのは、中学の部活動に姿を見せなくなってしばらくたった昨年11月。地元の公園で意気投合し、一緒に遊ぶようになった。

 転機は、そのひと月ほど後に訪れた。男性によると、グループのリーダー格だったのは、殺人容疑で逮捕された少年(18)。昨年12月、男性は「いいやつがいるんだ」と男子生徒を呼び出し、この少年に引き合わせた。

 中学生を含む10人ほどのグループの一員として、ゲームセンターに行き、公園で語り合い、夜通し遊ぶこともあった。年が明けるころには、男子生徒は学校に行かなくなっていた。

 男性によると、リーダー格の少年は「普段は穏やかだけど、怒ると抑えが利かなくなる」ため、グループのみんなが恐れていた。だが「怖くて、グループから抜けたいと言い出せなかった」。

 その象徴が、暴力だった。男子生徒はたびたび「生意気だ」と土下座させられ、殴る蹴るの暴行を繰り返し受けていたという。「電話に出ない」「メールの返信が遅い」などが理由だった。

 今年1月下旬、未明の路上。いつものように「生意気だ」と怒鳴り、路上に正座させた無抵抗の男子生徒を、暴行し続けたという。「周囲の仲間が止めに入ったが収まらず、(男子生徒の)顔はぼこぼこで、体じゅう傷だらけになった」。男性は振り返る。

 翌日、男子生徒は腫れ上がった顔で、「もう一緒に遊びたくない」と周囲に相談。このことがリーダー格の少年の耳に入り、暴行はさらに激しくなった。男子生徒と同級生だった別の生徒(13)らもこのころ、目の上に青いあざがある男子生徒を目撃している。

 「(男子生徒が)別の友人グループに体の傷を問いただされ、(リーダー格の少年の)名前を口にしたと聞いたことがある。そのことを(リーダー格の少年が)恨んでいた」

 この一件が“引き金”だったと推測する男性は、悔やむ。「相談に乗って、もっとアドバイスしてあげれば、死ななくてすんだ。(男子生徒)には、逃げてほしかった」

 <川崎中1殺害事件の経過>
2013年9月 男子生徒が島根県西ノ島町から川崎市に転校
14年4月 市立中学校入学、バスケ部に入部
夏以降 部活に姿を見せなくなる
秋ごろ 他校や年上の少年らと一緒にいる様子が目撃されるようになる
15年1月 8日の始業式からすべて欠席、担任が電話や家庭訪問を繰り返すが会えず
2月16日 担任教諭の電話に男子生徒が出て「そろそろ(学校に)行こうかな」
19日 夜、母親と自宅で食事し最後の会話を交わした後、外出
20日 死亡(推定時刻午前2時ごろ)
川崎区内の公園のトイレから出火していると119番(午前3時ごろ)
多摩川河川敷で通行人が男子生徒の遺体を発見、110番(午前6時15分ごろ)
21日 県警が遺体は男子生徒と発表、川崎署に殺人・死体遺棄事件の捜査本部を設置。死因は刃物で首を切られた出血性ショックと判明
27日 殺人の疑いで少年3人を逮捕

【神奈川新聞】


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