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【照明灯】お祈りメール

経済 神奈川新聞  2015年02月27日 10:00

「卒業も目前に迫り、前途に対する漠然たる不安危惧が自分を支配して…」「学校は出たもののさてどうして食うかと云う時になって就職口が無かったら我々は一体どうすればいいか」▼1934年に出版された学生たちの手記だ。「社会がそうさせるのであって個人のみが悪いのではない」。いつの時代も、いざ世に出ようとする若者が抱く一種の憂鬱は変わらない▼「お祈りメール」なる言葉が、ここ数年定着した。要は企業側からの不採用通知なのだが、「今後の活躍をお祈り申し上げます」といった型通りの文面を何通も送られ、これまた学生を憂鬱にさせる代物として認知されている。採用されなかったことを「祈られた」とも言うらしい▼知名度の高い企業に偏りがちな学生に対し、「非上場でも収益性に優れ、働きがいの大きい会社は無数にある」。先の本紙経済面で、就職支援に当たる神奈川大学教授が指摘していた。敵を知り己を知るためには、情報収集と自己分析が肝要だ▼3月1日に大学生の就職活動が解禁になる。従来より3カ月繰り下がる短期決戦だ。経団連の加盟企業による紳士協定だけに、日程に縛られない企業も多く、最前線では困惑が見られる。無責任に、就活の成功をお祈り申し上げ…ることはすまい。

【神奈川新聞】


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