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空き教室を支援学校に 秦野で県内初の試み

社会 神奈川新聞  2015年02月25日 03:00

知的障害児を対象とした特別支援学校小中学部が開設される秦野市立末広小学校=秦野市末広町
知的障害児を対象とした特別支援学校小中学部が開設される秦野市立末広小学校=秦野市末広町

県と秦野市は2015年度、同市内の小学校の空き教室を改装し、県立特別支援学校小中学部を整備する。同様の試みは暫定的にはあったが、継続的に運営するのは県内初という。対象は知的障害のある児童・生徒で、今年の夏休み以降に改装工事に入り、16年4月に「開校」する予定だ。

特別支援学校が整備されるのは、市立末広小学校(同市末広町)の本校舎に隣接する2階建ての別校舎。計8教室をバリアフリー化などで改装する。県が校舎内の改装を、市が外装工事を担い、新年度予算案に県が約7千万円、市が3700万円を計上した。市が施設を貸し、県が運営を担い、貸借などの期限は設定しない見込み。

秦野市内には病弱児が通う県立特別支援学校はあるが、小中学生の知的障害児の受け入れはない。現在は約40人が平塚市の特別支援学校にスクールバスで通っているが、過去には定員の状況によって小田原市や伊勢原市の学校へ転校を余儀なくされるなど、不安定な状況が続いてきた。

知的障害の子を持つ親でつくる「秦野市手をつなぐ育成会」の相原和枝会長は、「通学に片道1時間かかる子もいる。環境の変化に弱い知的障害児が突然の転校で苦労するほか、同じ『母校』が持てないことで保護者同士の協力や連携の障害にもなってきた」と語る。そのため保護者らは長年、市を通じて特別支援学校の創設を求めてきた。

要望を受けた市も県に学校の創設を求めてきたが、「予算や用地の確保なども含め、新設は難しかった」(県教育局特別支援教育課)。そこで市側が、児童数の減少によってできた空き教室の活用を提案。末広小は本校舎とは別棟の小規模校舎が丸ごと転用できることや、学校側も協力に前向きだったことなどから、実現にこぎつけた。

相原会長は「画期的な試みで、非常に大きな一歩。ただ、まだ市内には身体障害児の小中学部、重度の知的障害児の高等部がない。『障害児を地域で育てよう』という大きな流れの中で、今後の動きにも期待したい」と話していた。

【神奈川新聞】


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