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検証2015川崎市予算<上>初の本格編成 厳しい財政運営続く

政治行政 神奈川新聞  2015年02月24日 12:28

「思い入れのある予算となった。しかし、(昨年)夏には194億円の収支不足が見込まれ、非常に厳しい予算編成だった」

福田紀彦市長がこう振り返る通り、川崎市の2015年度予算案編成は、国に頼らざるを得ない地方財政制度の構造的問題をあらためて浮かび上がらせた。

人口増加は30年まで続き、武蔵小杉駅周辺のマンション開発を中心とした地価高騰も見込まれる。人口減社会にあっても個人市民税や固定資産税は順調に伸び、全国的にも恵まれた財政基盤とされる。

しかし、15年度予算案では、市税収入と消費税率引き上げによる地方消費税交付金が伸びた分、普通交付税や臨時財政対策債(臨財債)が14年度に比べ約160億円の大幅減となった。

「臨財債発行に頼っていた分だけ、きつい。何かを削ってこれだけの財源を生み出すのは現実的には難しい」。表情を曇らせる財政局幹部の言葉を裏付けるように、市は将来の市債の返済に充てるために積み立てている減債基金から54億円借り入れて穴を埋めた。

「国の税制は地方創生といいながら、川崎のように頑張っているところは、かえってひどくなる」

別の市幹部からも恨み節が聞こえてくる。実際、景気回復の兆しが見え始めた14年度の普通交付税と臨財債の決定額は、予算計上額を67億円下回った。

この数字を国が示した昨年夏、福田市長は「この穴埋めをどうするのか。胃がきりきりしている」と吐露。赤字決算を免れるため、全庁的に1%の執行抑制などを徹底させて約15億円を捻出したものの、減債基金から51億円を借り入れる補正予算を組まざるを得ない状況に。さらに、今後は毎年少なくとも100億円超の収支不足が生じ、10年間で計約1633億円足りなくなるとの推計を示し、財政運営の厳しさを訴えていた。

しかし、その収支見通しの直近のデータでは、大幅な改善傾向が見て取れる。「経済状況が夏の段階より良くなっている。一定程度の税収の伸びが見込まれる」と財政課は説明。ハード系や下水道の整備に伴う企業債元金償還などで17年度に187億円とピークを迎える減債基金の借り入れが、19年度に解消するとの試算だ。

16年度には不交付団体に移行する見込みで、消費税率10%の引き上げ効果、大規模施設整備経費の平年化なども絡み、数年間の厳しさを乗り切れば、光明が見えてくるという。

とはいえ、税収は景気に左右され、減債基金からの多額借り入れの返済計画は現時点では不透明だ。待機児童解消対策、中学校給食推進、小児医療費助成拡充-など予算に反映させた公約の実現に加え、高齢化の進展による社会保障関係経費の増大は避けられない。さらなる行財政改革をはじめとした歳出削減が求められているのは変わらず、市幹部もその難しさを痛感している。

「市長が約束したことを盛り込みながら、財政収支のバランスをどう取るのか。行財政改革で絞れる部分は案外少ない」

就任2年目の福田市長が「子どもの未来応援予算」と命名した2015年度当初予算案。1年間を通じて初めて手掛けた“福田予算”の特徴や課題を探った。

【神奈川新聞】


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