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【社説】川崎市不祥事 連鎖防止へ徹底検証を

政治行政 神奈川新聞  2015年02月22日 10:27

川崎市職員や教職員による不祥事が相次いでいる。造園工事の入札情報を業者に漏らしたとして8日、官製談合防止法違反などの疑いで、建設緑政局の職員が県警に逮捕された。数日後には消防局職員が傷害容疑で、市立高校臨時任用教員が痴漢の疑いでそれぞれ逮捕された。

いずれも行政への市民の信頼を失墜させる行為で、許されるものではない。市は厳しく対処するとともに再発防止に全力を挙げるべきだ。

造園職として入庁した建設緑政局職員は、公園整備のプロとして「生田緑地」の園路のバリアフリー化の設計などに携わっていた。庁内の評判によれば、勤務態度は真面目で公園を良くしようという意識が強く、仕事熱心だったという。

透明性や公正性が最も重視される入札制度の根幹を揺るがす行為の背景に何があったのか。職員はどのようなメリットを得ようとしたのか。県警の捜査とは別に、市独自による全容の解明が求められよう。入札の体制などに不備はなかったかの検証も必要となる。

2014年度、川崎市職員や教職員らの逮捕事案は発表されているだけでも十数件を数える。市教育委員会では、児童買春や強制わいせつ容疑などで捕まった教職員が8人にも上る。子どもたちを正しい道へ導く立場の犯罪だけに救いようがない。児童・生徒への影響や、学校内での今後の指導にも支障が出ることが懸念される。これだけ頻発していれば、一握りの個人的な犯罪と片付けるだけでは済まないだろう。

市教委は1月から緊急に指導主事らが全市立学校を訪問し、綱紀粛正を訴えるとともに、教職員に「人ごとではなく自分ごととして考える」ことを求めている。さらに各学校で自主的な研修も実施するという。市長部局でも定期的な不祥事防止の取り組みに加え、14年度は「服務チェックシート」を職員に配り、公務員としての自覚の徹底や自らの仕事ぶりの振り返りを行わせている。信頼回復に向けた取り組みは是としたいが、形だけでは意味がなく、一人一人の自覚が問われている。

福田紀彦市長は相次ぐ不祥事について謝罪した上で、「不祥事がなくなる妙案はないが、生まない土壌をつくらないといけない」と言う。組織に不祥事を生み出す要因がないのか、今回を機に幅広い観点から徹底的に検証すべきだ。

【神奈川新聞】


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