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ミカン畑 市民が再生 出資、収穫、ジュース販売も/小田原

経済 神奈川新聞  2015年02月15日 11:30

ミカン畑でミカンとジュースをPRする小山田さん(左)と川久保さん=小田原市曽我別所
ミカン畑でミカンとジュースをPRする小山田さん(左)と川久保さん=小田原市曽我別所

農家の高齢化などで増えている耕作放棄地のミカン畑を市民の手で再生する取り組みが小田原市内で行われている。出資者を募って収穫したミカンを分配しているほか、今月からは新たにジュースの加工販売をスタート。耕作放棄地の活用モデルとして注目を集めそうだ。

JR御殿場線沿線にある急傾斜の丘。約1350平方メートルのミカン畑からは富士山から足柄平野、相模湾までを一望できる。所有者の高齢化と担い手不足のため、耕作放棄地になりかけたところを、同線沿線の活性化に取り組む勉強会の有志が昨年2月に借り受けた。

同時期に団体職員の小山田大和さん(35)と農家の川久保和美さん(60)が中心となって市民グループ「かなごてファーム」を発足、ミカン山の再生に乗り出した。一口2千円(最大5口)で出資者を募り、38人が出資。作業に加わることもあるという。作業効率を上げるため、急傾斜地に階段などの作業道を整備したり、雑草が生えないよう麻袋を敷き詰めたりして環境整備した。

栽培しているのは、程よい甘みと酸味が特徴の「青島温州」。農薬はほとんど使っていないという。昨年12月から収穫が始まり、約4トンを収穫。出資者を招いて収穫祭を開催したり、配当としてミカンを分けたりしている。

ジュース製造では、ミカン約1・2トンを湯河原町の加工業者に持ち込んだ。耕作放棄状態を「昼寝」と捉えて「おひるねみかんジュース」と名付けた。

4千本限定で、180ミリリットル入りの瓶1本300円。今月から曽我梅林の梅まつり会場や小田原駅東口地下街の店舗のほか、インターネットの通販サイトでも販売をスタートした。既に半分売れたといい、評価は上々だ。

「県西地域では耕作放棄地を抱えている所は多く、鳥獣被害にもつながっている。素人でも取り組める新たな活用モデル。将来は地元に加工所を設けて雇用創出を図りたい」と小山田さん。今後は漢方薬の原料となる陳皮(ちんぴ)など、新たな展開を模索している。川久保さんは「地元に根付いたミカン文化を残していくとともに、会社をリタイアして農業に取り組めるような環境づくりに貢献したい」と意気軒高だ。

【神奈川新聞】


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