1. ホーム
  2. 政治行政
  3. 高速料金見直し 神奈川県内は方向二分 既存道路を有効活用

高速料金見直し 神奈川県内は方向二分 既存道路を有効活用

政治行政 神奈川新聞  2015年02月12日 03:00

開通を待つ圏央道の相模原愛川IC-高尾山IC間。中央は建設中の相模原IC=28日午前9時40分、相模原市で共同通信社ヘリから
開通を待つ圏央道の相模原愛川IC-高尾山IC間。中央は建設中の相模原IC=28日午前9時40分、相模原市で共同通信社ヘリから

首都圏の高速道路の料金体系が2016年度から大きく見直されることになりそうだ。距離に応じた料金への統一や、混雑状況を踏まえた料金設定などが柱で、国土交通省は有識者会議の示した方針に沿って具体策の検討に入る。県内では横浜横須賀道路(横横道路)や首都圏中央連絡自動車道(圏央道)が値下げ、第3京浜道路では値上げと、料金改定の方向が分かれる見通し。既存道路網の効率的な活用が狙いだが、利用者負担や沿線開発への影響をもたらす可能性もあり、ユーザーも工夫を迫られる。

「夏の暑くない時期までに答えを出したい」。太田昭宏国交相は9日、県内の道路料金引き下げの要望に訪れた黒岩祐治知事らに、新たな料金水準提示の見通しを、こう説明した。

県内では横横道路の1キロ当たり料金が44円と割高で、値下げを求める声が地元で強まっていた。菅義偉官房長官は1月、全線の料金を現行の1440円から950円に引き下げる意向を黒岩知事らに示している。

有識者会議の方針では、統一料金の水準を「大都市近郊区間(1キロ当たり36・6円)を参考にする」としており、これに従えば引き下げ後の料金は全線で1100円台となる計算。「そこから先は別の原理が働く」。国交省関係者は、政治判断の入る余地をうかがわせた。

圏央道の西側では、3月8日にさがみ縦貫道路が全線開通する。東名高速と中央道、関越道を郊外でつなぐルートが整っており、沿線では企業集積も進む。

だが1キロ当たり43・2円となる現行料金が、安い都心ルートに交通を集中させ、渋滞解消を阻んでいるとも指摘されてきた。料金体系見直しが実現すれば、値下げに向かう見通しだ。

一方、1キロ当たり料金が15・7円と首都圏で最安水準の第3京浜は引き上げの方向。黒岩知事は「格差の是正をお願いしてきたわけだから、安いところが少し高くなるのはやむを得ない」と一定の理解を示すが、「本来は建設費の償還が終わったら無料化するのが制度上の理屈」(自民党議員)と逆方向の値上げに対する当惑も漏れる。

◆「使うコスト」の財源強調 有識者会議が方針として示した既存道路網の効率活用を目指す構想の背景には、人口減や財政難で新たな道路網整備が難しくなるとの予想がある。このため維持管理費の捻出に向け、建設費償還後も料金を取り続けることを検討すべきとしているのが特徴だ。

高速道路の有料期間は現在、法律上は2065年まで。償還主義に基づく料金は「建設で生じた借金を返すためにいくら必要か、という考えで決まっていた」(国交省)。今回の見直しは、有料制度が「道路を使うためのコスト」に充てるとの色彩を強めていく契機になる可能性もある。

料金体系の分かりにくさ解消にも重点を置いている。

首都圏の高速道路は段階的に整備してきた。一定の距離を超えれば定額の首都高速に対し、東名高速や圏央道などは距離に応じて料金が加算される。管理主体をまたぐ際にターミナルチャージ(1回ごとの利用料金)もかかる。

方針では、発着点が同じであれば、通ったルートに関係なく距離に応じた料金設定を導入するほか、将来的には情報技術(IT)を使って事故や渋滞の情報をドライバーに送って回り道を促したり、渋滞の起きやすい時間を把握して機動的に料金に反映させたりといった構想も提言した。

国交省の試算では、車の走行時間のうち渋滞に巻き込まれている時間が、日本では4割を占め、欧米の2倍程度という。鈴木馨祐国交政務官は、「料金水準や利用の偏りを解消して“プレミアム”付きの道路として整え、利用者に選択を委ねられるようにすべきだ」と話している。

◆料金を統一混雑解消へ 湯口勉・浜銀総研主任研究員の話 インフラには基本的にコストがかかる。修繕費を捻出しなければならない以上、もともと無償化は無理のある話だった。

ETCの普及が前提になるが、料金が統一されれば合理的な混雑解消策も期待できる。各道路で交通量にばらつきがある場合、混雑状況に応じて料金に差をつけることにより「すいている道路を使いやすくし、混雑している道路は必要な人が優先して使えるようにする」というやり方は、都市政策上は有効といえる。

料金体系が違うため、せっかく造った道路があまり使われないのに「借金があるから料金を引き下げられない」というような事情もあった。整理することにより、こうした不合理を見えやすくすることも大切だろう。

【神奈川新聞】


首都圏内の料金水準の現状
首都圏内の料金水準の現状

シェアする

編集部のおすすめ

アクセスランキング

  1. 40代男性がはしかに感染 横浜

  2. 伊勢丹相模原店跡、複合ビル建設を検討 野村不と売買交渉

  3. ロマンスカー車内でわいせつな行為・小田急車掌を逮捕/神奈川

  4. 横須賀市内で5900軒停電

  5. 横浜高島屋が開店60周年 鳩サブレー缶など限定販売

  6. 動画 はっけよい…ぎゃー! 比々多神社で泣き相撲

  7. 稲村ケ崎海岸の沖合に女性遺体 鎌倉署が身元など捜査

  8. 閉店セール、開店前に行列も 伊勢丹相模原店

  9. 【写真特集】台風15号の被害状況

  10. 保育園埋設の放射性汚染土問題 横浜市が保護者に相談会