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横須賀でトラフグ漁が定着 漁閑期の救世主に

経済 神奈川新聞  2015年02月10日 03:00

長井漁港で水揚げされたトラフグ。かみ合い防止のため、市場内には1匹ずつ小分けされた水槽を設置している(県水産技術センター提供)
長井漁港で水揚げされたトラフグ。かみ合い防止のため、市場内には1匹ずつ小分けされた水槽を設置している(県水産技術センター提供)

横須賀市の長井漁港などで冬場のトラフグ漁が定着してきている。2002年ごろまでは県沿岸でトラフグの水揚げはほとんどなかったというが、放流によって近年は長井、佐島漁港で毎年3トン前後を水揚げ。県水産技術センター(三浦市三崎町城ケ島)では受精卵から放流魚を育てるふ化育成も進める。単価も高く漁閑期の救世主となっているようだ。

トラフグはフグの中でも特に美味とされ、単価も高い高級魚。10月~翌2月がシーズンで、特に年末に高く取引されるという。

トラフグ漁定着のきっかけは、03年度に長井町漁業協同組合で天然トラフグが1トン近く捕れたこと。漁場の三重~静岡県の遠州灘から来たとみられ、同漁協は定着に向けて翌04年度から稚魚の放流を試みた。

放流魚の移動を調べるため、同センターは06~11年度まで、13万2千匹の稚魚に「アンカータグ」と呼ばれる標識を付けて東京湾と相模湾に放流。うち537匹(約0・4%)が再び捕れ、相模湾では92・6%、東京湾では84・4%が放流した湾内にとどまることが分かった。

別の調査で、漁捕されたトラフグの約95%が放流魚だったことも分かり、同センターの櫻井繁主任研究員は「トラフグの放流効率は特に高い。マダイは約3割、ヒラメは約1割でほとんどが天然資源だが、トラフグは逆転している」と話す。

さらに、同センターは11年度からトラフグを受精卵からふ化させ、稚魚まで育成する試験も実施。どう猛なため同じ水槽内で互いをかみ合うのを防ぐ工夫を凝らすなどし、12年度からは4~5センチほどの稚魚を毎年2万7千匹ほど放流できるようになった。

長井町漁協では昨年10月~今年1月に1・7トンを水揚げ。冬場にトラフグを専門に捕る漁船は本格的に放流を始める前は1隻しかなかったが、現在では最盛期で10隻ほどに増えたという。同漁協は「冬場は捕れる魚が少ない時期なのでトラフグ漁を始めている」と話す。かみ合い防止のため、市場内には1匹ずつ小分けされた水槽も設置。同センターもさらに技術開発を重ねる考えで「一つでも地元産のブランドが増え、県内の消費者にも楽しんでもらえたら」と話している。

【神奈川新聞】


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