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官製談合容疑で川崎市職員を逮捕

政治行政 神奈川新聞  2015年02月10日 03:00

市職員の逮捕を受け謝罪する市建設緑政局の吉田総務部長(中央)ら=8日午後10時半ごろ、川崎市役所
市職員の逮捕を受け謝罪する市建設緑政局の吉田総務部長(中央)ら=8日午後10時半ごろ、川崎市役所

川崎市の造園事業をめぐり、入札情報を業者に漏らしたとして、県警捜査2課と宮前署は8日、官製談合防止法違反などの疑いで、川崎市建設緑政局技術監理課職員の男(38)=多摩区=を逮捕した。この情報を受け取ったとして、造園工事会社「川崎工苑建設」(宮前区)取締役の男(50)=高津区=も同日、公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕した。

逮捕容疑は、職員は2013年7月ごろ、市内の公園整備工事の一般競争入札で、予定価格などに関する内部情報を取締役に教えた上、共謀して公正な入札を妨害した、としている。県警は、2人の認否を明らかにしていない。

県警によると、職員は10年4月から14年3月まで同局公園緑地課に所属し、工事の起案や積算を担当。予定価格や最低制限価格といった入札情報を知り得る立場にあった。取締役は工事部次長として、積算業務を担当していた。

県警は8日夜、同局(川崎区)や同社事務所のほか、市役所の関係部署など10カ所以上を家宅捜索した。

川崎工苑建設の社長(68)によると、今回の情報漏えいの対象となった一般競争入札は、生田緑地(多摩、宮前区)西口の園路整備工事。市によると、13年7月に公表され、翌8月に13社が参加、同社が最低制限価格と同額の約1億2300万円で落札した。社長は「(職員は)真面目で市側の信頼を得ていたと思っていたので、驚いた」と話した。

市によると、公園緑地課が13年度に発注した工事は8件あり、5件の入札で最低制限価格と同額でそれぞれ別々の業者が落札していた。このうち生田緑地西口園路整備工事を含めた2件の設計・積算担当が職員だった。

◇上司ら驚きや困惑 川崎市発注工事の入札情報を業者に漏らしたとして市職員が逮捕された事件で、市関係者に衝撃が広がった。「寝耳に水」「本当に驚いている」-。入札の透明性や公正性といった制度の根幹を揺るがす事態に、職員の上司らは驚きや困惑を隠さない。一夜明けた9日には、庁内に特別対策委員会を設置。信頼回復に向け、原因究明と再発防止に乗り出した。

「どの工事が対象になっているのか、何の情報を漏らしたのか、現在のところ分かっていない」-。8日夜、市が開いた緊急会見。建設緑政局の幹部職員は深々と頭を下げる一方、事件の全体像をつかめず情報収集が進まない現状に苦悩もにじませた。

職員は2004年4月に造園職として入庁し、環境局北部公園事務所などに勤務。入札情報を漏らしたとされる13年7月ごろに所属していた建設緑政局公園緑地課の上司(当時)は「真面目で仕事一途。バリアフリー化など公園を良くしようという気持ちが強い職員だった」と困惑気味。職員はことし1月19日から有給休暇を取っていたという。

逮捕から一夜明けた9日、同局は緊急の職員不祥事防止委員会を開き、局内に「情報管理特別対策委員会」を設置。金子正典局長をトップとし、来週中の初会合開催を決めた。

設計書の取り扱いや保管場所、業者との打ち合わせのルールなど、入札制度の公正性を担保する情報管理体制を再確認し、綱紀粛正を図る。担当者は「捜査の推移を見守りながら、市としてもなぜ事件が起きたのか可能な限り原因を調査したい」と説明している。

福田紀彦市長は同日、記者団に「市政のまさに根幹の部分である入札の信頼を損ねるような事件になり、深刻に受け止めている。残念に思う」と述べた。

【神奈川新聞】


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