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【照明灯】スマホかけご飯

社会 神奈川新聞  2015年02月08日 09:47

デジタルデトックス、IT断食といった言葉を耳にする。スマートフォンやタブレット端末が普及し、インターネットを介し、いつでもどこでも誰とでもつながれる現代。一方、それに疲れを覚える人も多い。強迫観念化したつながりを絶つ試みだ▼ある団体が企画した鎌倉ツアーでは、デジタル機器の携帯は一切禁止。手作りの地図を頼りに歩き、フェイスブックに投稿する代わりに手紙を出す。あえて圏外を買うという発想。会議への端末の持ち込みを禁止し、従業員個々の机からパソコンを撤去した企業もある▼横須賀市の久里浜医療センターをはじめ、ネット依存専門外来を開設する医療施設が増えた。パソコンは部屋から出ないから自他ともに依存を認識しやすいが、携帯端末は判断が難しい。スマホ依存を自覚しつつ、その対処法をスマホで検索する笑えない話もある▼テレビを見ながらの食事を、卵かけご飯ならぬ「テレビかけご飯」と呼んだ時代があった。今なら、さしずめ「スマホかけご飯」か。五感を眠らせたままのデジタルにまみれた食卓は味気なかろう▼電脳空間に解を求めず、自らの脳で思考する。情報端末ではなく誰かの手を握る。小さな画面から目を上げ、青空を仰ぐ。そんなひとときがあっていい。

【神奈川新聞】


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