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片瀬江ノ島駅前広場をもてなしの空間に 「殺風景」と整備求める声、渋滞解消の難題も

社会 神奈川新聞  2015年02月08日 03:00

竜宮城を模した造りの片瀬江ノ島駅。周辺に商店はあるものの、駅前広場にはアスファルトの路面が広がるだけだ
竜宮城を模した造りの片瀬江ノ島駅。周辺に商店はあるものの、駅前広場にはアスファルトの路面が広がるだけだ

国際的な観光地の玄関口としてふさわしいたたずまいに-。小田急江ノ島線片瀬江ノ島駅(藤沢市)の駅前広場をめぐり、地元の経済界から整備を求める声がにわかに強まっている。アスファルト舗装された路面が広がるだけの現状では、あまりに殺風景というのがその理由だ。市側も整備の必要性は認めるものの、実現には周辺の交通渋滞解消という難題が立ちはだかっている。

竜宮城を連想させる造りで、関東の駅百選にも認定されている片瀬江ノ島駅。鮮やかな朱色の駅舎とは対照的に、大部分を小田急電鉄が所有する駅前広場(約1200平方メートル)にはロータリーもなければ、植栽も観光案内板もない。

路面上には、駅前を横切る車の動線を確保するため金属製のポールが1メートル間隔で置かれているだけ。かつて、夜間に集まる若者の騒音や暴力沙汰が問題となったこともあり、25年ほど前に一般車が駐車できないようにされた。

そんな味気ない状態を、「江の島や湘南海岸への玄関口として、あまりにもね…」と嘆くのは、藤沢商工会議所の金井正志郎専務理事。「観光客をおもてなしする空間として、ふさわしいだろうか」と提起する。

同商議所では昨春、産業・都市基盤の構築を目指し、街づくり活性化委員会を発足。同駅前広場の整備も課題の一つに挙げ、市側と懇談を重ねてきた。金井専務理事は「まずは現状を整理し、市の考えを引き出したい。整備に向け、経済界としてもバックアップしていく」と意気込む。

市側も、整備自体には前向きだ。もともと駅前広場の区域は1957年に都市計画決定されていた。これは、市として駅前広場を都市施設に位置付けたことを意味し、50年以上も前から整備の意向が示されていたことになる。

2003年と05年には、地元有志でつくる「観光地片瀬江ノ島の玄関口を考える会」が整備を求める提言書を市に提出するなど、地域の期待も大きかった。市もようやく、昨年4月に策定した市交通マスタープランに「駅前広場の再整備構想」と明記。初めて行政計画の中に盛り込み、整備に向け一歩を踏み出した。

ただ、障害となっているのが周辺の交通渋滞だ。再整備構想は、駅前をマイクロバスやタクシーが発着できるよう整備し、同駅を江の島・湘南海岸周遊の拠点とする内容。ところが休日のたびに大渋滞が発生、江の島大橋を渡って江の島に入るまで1時間以上かかることもざらにある。

市都市計画課は「いくら駅前を拠点整備しても、現状のままでは誰も周遊バスを利用しない。駅前整備と渋滞緩和はセットで考えている」と説明。現時点で抜本的な渋滞対策は打ち出せず、整備時期も見通せない状況という。

そんな中、関係者が注目するのが、市がセーリング競技の江の島誘致を進めている2020年東京五輪だ。市観光協会の福島勇専務理事は「誘致が実現すれば、江の島大橋の架け替えなどで一気に渋滞対策が進む可能性もある。駅前が今のままでいいのか、幅広い議論を呼ぶきっかけにもなるのでは」と期待を寄せている。

【神奈川新聞】


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