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【社説】川崎市予算案 歳出抑制の道筋に課題

政治行政 神奈川新聞  2015年02月07日 09:14

川崎市が2015年度の当初予算案を発表した。「最幸のまちかわさき」実現へ、重視する子育てや教育分野に積極的に予算を付け、「福田カラー」を強く打ち出した。

「安心のふるさとづくり」と「力強い産業都市づくり」の両立が、福田市政の大きな目標である。特に前者では、増加する子育て世帯のニーズに応える待機児童解消が最優先事項だ。14年度に続く手厚い予算配分により4月時点でのゼロ達成は射程内に入った。16年度に向けても1400人分の認可保育所整備も盛り込み、「瞬間風速的」な解消に終わらせない姿勢は適切だろう。

財源面から課題だった小児医療費助成対象年齢拡充も何とか実現した。これで市長公約で掲げた主要施策はほぼ手を付けたことになり、おおむね評価できる。市長の思い入れの強い「地域の寺子屋」事業は8カ所から21カ所、要介護度の改善を図る取り組みを進めるモデル事業も16施設から100施設と、それぞれ大幅に拡大を図った点も特徴的だ。

力強い産業都市づくりでは、羽田連絡道路整備や中核施設「ナノ医療イノベーションセンター」など臨海部の国際戦略拠点形成の推進に力点を置いた。福田市長が「芽を育てる予算」というように将来の新産業創出や税収増につながる投資は、着実に前進させている。

また、20年東京パラリンピックの支援を推進する方向性を示した。今後、市民を巻き込んだ川崎らしい取り組みを期待したい。

しかし、増える歳出に歳入が追い付かず、財政状況は依然として厳しい。収支不足は、市債の償還のため積み立てている減債基金から54億円を借り入れて賄った。ここ数年続いている減債基金の取り崩しは、当然好ましくない。「綱渡り」の財政運営の改善を急ぐべきだ。

市によると、数年後には消費税率10%への引き上げや景気回復に伴う税収増、不交付団体に転じることなどで収支不足を解消できるとの見通しを立てる。とはいえ、少子高齢化により、今後も社会保障関連経費は確実に膨らみ続けるだろう。やはり歳出を抑えるための痛みを伴う行財政改革は避けられない。

今後の焦点は、来春までにまとめる新たな行財政改革計画と総合計画の中身となる。実効性のある計画をつくり、持続可能な行財政基盤の構築への道筋を示さねばならない。

【神奈川新聞】


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