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空き家をシェアハウスに 関東学院大生が横須賀で改修プロジェクト

社会 神奈川新聞  2015年02月03日 03:00

空き家の改修に取りかかる関東学院大の学生ら=1月27日、横須賀市追浜町
空き家の改修に取りかかる関東学院大の学生ら=1月27日、横須賀市追浜町

谷戸地域に増える空き家の問題に対応するため、関東学院大学(横浜市金沢区)がリノベーション(大規模改修)と居住の双方を担うプロジェクトを横須賀市内で始めた。4月からシェアハウスとして活用する予定で、先月下旬から改修工事を行っている。入居する学生3人は地域行事に積極参加する方針で、地域活性化への貢献を目指す。廃材を利用し、自然の力だけで生ごみを分解できるキエーロも製作、使用することを検討している。

きっかけは、空き家問題をテーマにした卒業検定。人間環境デザイン学科4年の佐藤勇希さん(22)と工藤達矢さん(22)が3年次、空き家を改修した上で学生が居住するという活用ができないか、検討を始めた。

2人はキャンパス近隣の横須賀市・追浜地区の空き家をくまなく調査。昨夏、同市追浜町2丁目の2階建て住宅の所有者から応諾を得た。現1年生3人が居住するめども立った。

改修費用は、谷戸の空き家への学生居住を支援する横須賀市の補助制度を活用。リフォームに144万円、学生1人の家賃につき月額5千円の補助を受けられることが決まった。工藤さんがインターンシップ(就業体験)で同市役所に赴いていたことも、補助制度の活用に生きた。

今回のプロジェクトは、同学科の水沼淑子教授(住居学)と兼子明也准教授(建築・都市環境デザイン)が指導。地元の北村建築工房が作業指導をしている。

佐藤さんは「3年の秋にプロジェクトを始めたころは夢物語的だった」と振り返りながら、「4月の入居に間に合うように工事を終え、卒業していきたい」と意気込みを語った。

◇深刻さ増す谷戸地域

軍港都市として発展し、平地が少ないため港や造船所に比較的近い山地が宅地として開発された横須賀市は、居住者の高齢化に伴って深刻な空き家化の問題に直面している。

最も顕著なのは、関東学院大が今回プロジェクトを行っているような谷戸地域。階段があって車が横付けできない地勢が、高齢化で移動の大きな支障となるなどし、最も高い地域では空き家率が2割に上っている。

市は、危険な廃屋を行政指導に従って解体した場合に補助する制度や、空き家や空き地の売却に向け測量・登記費用を助成するモデル地区での制度などを設けて対応しているが、急速な人口減少もあいまって、飛躍的な改善は見通せないのが実情だ。

昨年12月には、是正指導に応じなかったとして、老朽化で危険が高いと判断した空き家3軒の所有者に対し、建築基準法の規定に従って撤去や修繕の命令を出した。

同法に基づき同市が老朽家屋に命令を出したのは初。吉田雄人市長は「使える空き家は定住対策で流通させたいが、本当にボロボロになった空き家が住環境を害している所もある。トータルに空き家対策をやっていく一つの姿勢を見せた」と説明している。

【神奈川新聞】


建築基準法に基づき、横須賀市が撤去命令を出した同市東浦賀の空き家(同市提供)
建築基準法に基づき、横須賀市が撤去命令を出した同市東浦賀の空き家(同市提供)

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