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ルーキー~飛躍誓う8選手~〈8〉亀井塔生

ベイスターズ 神奈川新聞  2015年01月30日 12:00

身体能力の高さを開花させたい亀井
身体能力の高さを開花させたい亀井

新人合同自主トレーニングで亀井塔生(京都・日星高)は今、驚きの毎日を過ごしている。

ウオーミングアップの体操からステップの踏み方で戸惑うことが多い。ブルペンに場所を移してマスクをかぶれば、ドラフト1位指名の山崎康晃(亜大)が投げるナックルに「初めて見た」と簡単に捕球できない。

未体験の連続に精神的に参りそうだが、荒削りの原石はあっけらかんと笑顔で言う。「思っていた以上に楽しい。もっと厳しく、堅苦しい生活になると思っていた」

憧れていた世界に飛び込めるなんて正直、夢にも思っていなかった。育成1位の17歳は何でも吸収しようと、貪欲にグラウンドを走っている。

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全国的には全く無名の存在だ。高校2年秋から正捕手に座るが、その年の秋の府大会、続く春の府大会はともに2次戦の1回戦で散った。3年の夏も初戦で京都すばるに5-8で敗退。高校最後の夏はあまりにもあっけなく幕を閉じた。

プロ志望届を提出するも「大学に進学するつもり」だった。高校の山中始之監督(42)の熱意に押されて、「記念受験」との意味合いが強かったという。

ただ、球団の評価は異なっていた。遠投122メートルの肩に、50メートルを6秒フラットで走る俊足。捕球してから二塁にボールが到達するまでの時間は、プロでも強肩と呼べる1・8秒台を記録することもある。何度も自分のスローイングをDVDで見返し、固めてきたたまものだった。

「技術は教えられるけど肩は教えられない。スーパーになる可能性を持っている」。担当の八馬幹典スカウトの言葉は熱っぽい。横浜DeNAを含めた5球団のスカウトの目を集めていた素材は魅力にあふれている。

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「勝負してこい」。才能を信じて、そう言って送り出してくれた山中監督や、野球を始めるきっかけをつくってくれた2学年上の兄航洋さん。周囲に感謝を示すために物おじしている暇はない。「3年後には1軍のレギュラーを取って、1億円プレーヤーを目指したい」。記者会見で力強くそう発した。

大伯父は、プロ野球の南海ホークスで黄金期を築いた故鶴岡一人氏の下でプレーした外野手中島博征さん。10年間、南海のユニホームを着た京都出身の大先輩に続くようにと、目標を定めている。「子どもたちが憧れるような、舞鶴からスター選手が育ったと言われたい」

=おわり

【神奈川新聞】


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