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【社説】通常国会スタート 問われる改革の実効性

政治行政 神奈川新聞  2015年01月27日 09:59

通常国会が26日、召集された。安倍晋三首相は「改革断行国会」と位置づけ、成長戦略、地方創生といった看板政策の実行を中心に、社会保障、税財政、安保法制といった重要施策について新たな制度への整備を進める構えである。

少子高齢化が加速する中、あらゆる分野の再構築が急がれる。改革が難題の解決につながり、将来へ向けた発展につながるかどうか。取り組みの実効性が問われよう。

通常国会前半の焦点は来年度予算案である。予算編成に当たり、安倍首相は「経済再生と財政健全化の両立」に腐心したと説明。新規国債発行額の圧縮などを強調している。

曲がりなりにも赤字解消へ踏み出せたのは、24年ぶりの高水準になった税収に負うところが大きい。歳出規模としては過去最大である。基礎的財政収支の黒字化を見据え、恒久的な歳出改革といえるのかどうか点検する必要があろう。

社会保障分野では介護報酬のマイナス改定が論点といえよう。関連経費が毎年度膨らみ続ける中、抑制にかじを切ることは不可避と言わざるを得ない。ただし、介護サービスの質と量の確保にも目配りすべきだ。団塊の世代が75歳以上になる10年後をにらんだ論戦を期待したい。

地方創生は実行段階に入る。予算案では、自治体が自由に使える財源が過去最大になった。統一地方選を見据えた手厚い配分ではないのか。財政健全化へ向けた首相の本気度を見極めたい。

消費税再増税へ向け、安倍政権の経済政策「アベノミクス」は正念場にある。成長戦略の重点分野に位置づける農業や医療、エネルギー分野の事業化が軌道に乗るかどうか。労働規制改革をはじめ賛否が分かれる規制改革の行方を注視したい。

地方選後、国会の最大の争点は、集団的自衛権行使へ向けた安保法制の整備に移る。与党は2月前半から協議を本格化させる方針である。自衛隊の任務や役割が大きく変わる可能性をはらみ、憲法9条との整合性の観点からも腰を据えた検証は与野党の責任といえよう。

今後の電源構成については国民の意見が分かれる課題である。エネルギー政策の方向性もしっかりと議論してもらいたい。政府は今夏をめどに財政健全化の計画を策定する。時代の変化に対応した財政体質への転換は待ったなしである。

【神奈川新聞】


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