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死亡事故起こした元自衛官に懲役4年6月「殉職した先輩に失礼」

社会 神奈川新聞  2015年01月22日 03:00

相模原市南区で昨年3月、赤信号を無視して交差点に進入し、オートバイの男性=当時(38)=を死亡させたとして、危険運転致死罪に問われた東京都町田市、介護施設職員の元自衛官(55)の裁判員裁判の判決公判が21日、横浜地裁であり、田村真裁判長は懲役4年6月(求刑懲役6年)を言い渡した。

田村裁判長は判決理由で、被告が停止線から約30メートル手前で赤信号を認識しながら加速したことや、交差点の進入が制限速度を15キロ上回る時速約55キロだったことから、危険運転致死罪の成立を認定。「危険で悪質な犯行」と指摘し、「赤信号に気付いたのは直前」として同罪は成立しないと主張した弁護側を退けた。

判決によると、被告は昨年3月、相模原市南区の交差点に赤信号を無視して乗用車で進入、左方から来たオートバイの男性に衝突して死亡させた。

◇裁判長、殉職に言及し説諭 先輩に比べてあまりに恥ずかしく、失礼である-。判決言い渡し後、田村真裁判長は過去に自衛官2人が殉職した航空機事故に触れ、鈴村博之被告に真摯な反省を求める一幕があった。

被告は航空機の搭乗員も務めた元海上自衛官。事故当時は現職の3等海佐で、勤務先の厚木基地(大和、綾瀬市)へ急ぐさなかに信号を無視して起こした事故だった。

公判では事故当日、現場の交差点に至る前にも信号を無視したことが明かされた。被告の自分本位な姿勢に思うところがあったのか。田村裁判長は「一つ言っておきたいことがあります」と切り出し、埼玉県狭山市の河川敷で1999年、航空自衛隊入間基地所属の練習機が墜落した事故について言及。「住宅街に墜落するのを避けるため、乗組員の幹部自衛官2人は脱出が遅れたと聞いている。住宅被害を避けようと殉職した先輩自衛官がいたことを、よく考えてもらいたい」と語りかけた。

元自衛官らしく背筋を伸ばし、前を見据えて聞いていた被告。「自衛官として30年以上、国防の仕事に尽くしてきた誇りを忘れないでほしい」と最後に諭されると、静かに頭を下げた。

【神奈川新聞】


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