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新船でキンメダイ漁 家族ら安全と大漁祈る/三崎港

カルチャー 神奈川新聞  2015年01月16日 03:00

初出港したキンメダイ漁の第八大徳丸=三浦市三崎
初出港したキンメダイ漁の第八大徳丸=三浦市三崎

三浦市三崎の三崎港から15日、キンメダイはえ縄漁船「第八大徳丸」(全長約34メートル、99トン)が初めて出港した。漁法が難しいとされるキンメダイ漁で30年以上苦楽をともにしてきた旧船を、最新の冷凍装置などを備えた新船に切り替えた。安全と大漁を祈り、乗組員の家族ら約50人が真っ白な船体を送り出した。

雨の降る同日朝、三崎魚市場横の岸壁に大漁旗が掲げられた第八大徳丸が泊まっていた。20~30代を中心とした10人の船員を率いる漁労長の大井孝さん(64)は「昨今は食の安心が叫ばれているが、日本近海の安心して食べられる魚を大量に捕ってきたい」と力を込めた。

船主は三崎を母港に200年以上漁業を営んできた「大徳丸」。1972年に会社組織化し、10年ほどかけてイカ漁からキンメダイ漁専業へ移行した。現在、三崎を母港とするキンメダイ専業の漁船は第八大徳丸を含め2隻のみだ。

約6年前まで漁労長を務めていた大井哲雄社長(74)によると、キンメダイ漁は年間を通して操業できる利点がある一方、漁法が難しい。当初は漁具や縄が切れてしまうこともしばしばで、「最初の数年はうまくいかなかった」。

約30年間をかけて経験を蓄積していった。キンメダイ漁では珍しく船上で冷凍して鮮度を保ち、地元のほか、横浜や都内を中心に販路を広げた。今では「大徳丸のキンメダイは脂が乗っている」と好評という。

旧第八大徳丸も建造から30年以上が経過し、古くなった。そこで、大井社長は「若い者が入ってくるから新船を造らないわけにはいかないんだよな。商売もだんだん軌道に乗ってきた」と決断。新船は船体がアルミ軽合金製で軽く、発光ダイオード(LED)を使用するなど省エネ化を進めた。

出港直前、船長を務める緑川和希さん(25)は「気持ちも新しくなった」と気を引き締めた。午前11時、第八大徳丸がゆっくりと岸壁を離れ、色とりどりの紙テープがたなびいた。日本近海に繰り出し、10日間ほど操業する予定だ。

【神奈川新聞】


出港前に家族らと談笑する大井漁労長(右から2番目)=三浦市三崎
出港前に家族らと談笑する大井漁労長(右から2番目)=三浦市三崎

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