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新成人が考える「10年後の日本」 明暗交錯

社会 神奈川新聞  2015年01月13日 19:25

成人の日の記念行事会場近くで友人らと旧交を温める新成人たち=横浜市港北区新横浜
成人の日の記念行事会場近くで友人らと旧交を温める新成人たち=横浜市港北区新横浜

◇五輪効果に高齢社会…

「成人の日」の12日、県内では約8万9千人の若者が門出を迎え、祝福や激励を胸に、仕事や学業への誓いを新たにした。バブル崩壊後の景気低迷期に育ち、現実的で欲がない「さとり世代」と呼ばれる新成人たち。「10年後の日本」の姿を問うと、「2020年の東京五輪で日本は良くなる」「日本は高齢社会に対応できるのか」と、楽観と悲観が交錯した。

■国民の団結力

「10年後は絶対に良くなっている」。鎌倉市の会社員の男性は、5年後に開催される東京五輪に思いをはせ、明るい日本の姿を想像して断言する。「暗いニュースも多いけど、気持ちはすごく明るい。今、仕事が充実し、将来は結婚して子どもも持ちたい。だから将来は明るいと思っている」と迷いなく答えた。

五輪に加え、東日本大震災の復興支援で国民が団結するとの見方も。三浦市の女子大学生は、「悪くなるイメージはない。高齢社会や少子化などいろいろ言われるが、震災後に国民が前向きになっている」と感じている。

相模原市南区の男子専門学生も、「復興支援で国民の意識は団結している。さらに五輪で、国民の気持ちが一つの方向にまとまって団結力が生まれると思うから」と話した。

鎌倉市の女子大学生は五輪開催が好材料と考えながらも、「五輪が終わったら、また景気が後退してしまうかも。いっときのものに終わってほしくない」と心配した。

■「老後が心配」

「悪くなっている」と答えたのは、日本が抱える諸課題、とりわけ超高齢社会を挙げた新成人が多かった。川崎市幸区の男子大学生は高齢化の進展による悪影響が気掛かりだ。「だけど、そこで自分がどう貢献できるかだと思う。大学で土木を専攻しているので、社会基盤を整えるような仕事をしたい」と強調した。

小田原市の会社員の男性は将来の漠然とした不安を抱く。「若い世代の負担が大きくなり、もらえる年金も減っている。今から老後が心配。貯金など自分で対策しなければ」と話した。

■期待と懸念も

10年後の日本について「良くなっている」と断言しないものの、「良くなってほしい」と期待を込める声も多く聞かれた。横浜市港北区の男子大学生はデフレが続いた「失われた20年」に育ったことを念頭に、「不況が続いた。もう少し経済が良くなってほしい。安定した雇用形態になれば、経済はきっと良くなる」と願った。

昨年、安倍政権が集団的自衛権の行使容認を決めたことで、日本の平和に懸念を抱く声も。高校時代を相模原市南区で過ごした町田市の女子大学生は「今まで憲法9条があったから平和だったけれど、(改憲に向けた動きもあり)今後は攻撃を受ける対象になってしまうのではないか」と案じた。

【神奈川新聞】


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