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ハイチ大地震から5年 いまだ8万人がテント生活

社会 神奈川新聞  2015年01月12日 03:00

10日、ハイチの首都ポルトープランスの仮設住宅で暮らす子どもたち(共同)
10日、ハイチの首都ポルトープランスの仮設住宅で暮らす子どもたち(共同)

30万人以上が死亡、約150万人が家を失ったカリブ海の島国ハイチの大地震から12日で5年。国際移住機関(IOM)によると、依然約8万人の被災者がテント暮らしだ。大地震前から中南米最貧国だった同国経済は低迷したまま。国民の不満が強まって激しい抗議デモが増え、政情不安が深刻化しつつある。

◇デモ頻発

「われわれは空腹だ」。首都ポルトープランスで12月に行われた反政府デモに参加したエリック・シェリさん(48)が米紙マイアミ・ヘラルドに対し訴えた。

政府の機能が弱いため、被災者向けの仮設住宅建設などの復興支援策は進展が遅い。ハイチの土地登記が複雑で、所有者が容易に分からないなどの事情もある。

地震発生直後から現地で支援活動を続ける日本のNPO法人「難民を助ける会」の池上亜沙子さんは「現在も多くの人が住む場所がなくその日暮らしを余儀なくされている」という。

行商をするジェラール・バティションさん(47)も「国民が困窮していたことは就任したときから分かっていたはずだ」と、改善しない生活へのいらだちを2011年5月に就任したマルテリー大統領に向けた。

在ハイチ日本大使館によると、昨年秋ごろから大統領の辞任などを求める3千~4千人規模のデモが頻発し、緊張が高まっているという。

マルテリー政権は外国資本を呼び込み雇用を生み出す努力や農業支援もしているが、成果は限定的だ。一方で、国際社会からの人道援助は年々減少している。日本大使館関係者は「貧困層を中心に『私たちを見ていない』と不満が噴出している」と指摘する。

◇機能不全

政治の混乱はさらに復興の足かせとなりそうだ。選挙管理委員会の人選に野党が異議を唱えるなどし、国会議員選挙や地方選が行われない状況が何年も継続。特に上院は今年1月中にも大半の議員が任期切れとなり、定足数に達しなくなる恐れがある。

昨年12月には混乱を受け、ラモット首相が辞任。政府の機能不全に拍車が掛かる事態が現実味を帯びる。

ハイチは人口の約24%が1日1ドル以下で生活する貧しい国だ。大地震の被害に加え、劣悪な衛生状況によるコレラの流行や、12年に襲来した二つのハリケーンの被害が追い打ちをかけた。

国連の潘基文事務総長は昨年8月の安全保障理事会宛ての報告で、国連ハイチ安定化派遣団(MINUSTAH)などの活動で治安が改善していることや、コレラの流行が下火になっていることを評価したが、選挙が開かれていない状況を「特に懸念している」とした。

【共同通信】


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