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戦争の危機感を歌に 七尾旅人さんが逗子でライブ

社会 神奈川新聞  2016年12月10日 15:00

特殊ワンマンライブとして行われた「兵士A」で歌う七尾さん(雨宮透貴さん撮影)
特殊ワンマンライブとして行われた「兵士A」で歌う七尾さん(雨宮透貴さん撮影)

 茅ケ崎市を拠点としていたシンガー・ソングライターの七尾旅人さん(37)のライブを収録した映像作品「兵士A」が、11日から24日まで逗子市新宿の「シネマ・アミーゴ」で上映される。近く日本に現れるかもしれない「1人目の戦死自衛官Aくん」に扮(ふん)して歌った、昨年11月のライブを収めたものだ。「駆け付け警護」という新たな任務を課された自衛隊が、内戦状態にある南スーダンに赴いた今、明日にもAくんが出てきてしまうかもしれない-。

 「兵士Aくんの歌」につづった。

 1人目の彼はどんな人だろう/1人目の戦死者Aくん/1人目の彼はどんな人だろう/何十年目の戦死者Aくん/彼は僕の友達/あれは僕の弟/彼はわたしの彼/あれはわたしの子

 駆け付け警護が閣議決定され、南スーダンにいる自衛隊は国連職員が武装集団に襲われれば武器を使用して救出に向かう。国連平和維持活動(PKO)に基づいた中立の立ち位置は変わらないにせよ、自衛隊のリスクは飛躍的に高まった。

 歌は続く。

 僕たちは/ある朝ニュースで君のことを知る/しばらくのあいだ/君の名前は隠される/最初の数ケ月/君の名は英雄の呼び名となり/そしてやがて/君の名前は/当たり前のものになる/Aくん/Bくん/Cくん/Dくん
 昨年11月に行われたライブは大反響を呼び、映像作品として今年7月に発売された。「Aくんという青年は非常に捉えづらいあいまいなもので、何とかして肉付けしていかないと顕在化しえない。アーティストがそれをサボっていたら、何も変わらない」。危機感を元に七尾さんは東京、広島を皮切りに全国上映を展開。11日からは逗子で上映されることとなった。

 ライブはAくんの歌を軸に、彼の生と死を取り巻く流れを表現した。太平洋戦争、戦後の復興、そして再び足を踏み入れた「戦前」と、日本と世界が歩んできた矛盾や理不尽を突く壮大なストーリーだ。七尾さんは「この国のどこかで、まだ君は生きている。兵士Aくんの歌の希望が、多くの人に届けば」と話す。

 11~17日は午後0時半、18~23日は同5時半、24日は正午開始(22日は休映)。料金は大人1500円、高校生千円、小中学生800円、幼児500円。問い合わせは、同店電話046(873)5643。

 ななお・たびと シンガー・ソングライター。透明感のある歌声と音楽性で人気を博し「リトルメロディ」「サーカスナイト」などがヒット。フジロックフェスティバルをはじめ各地の音楽フェスでも活躍。


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